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『訪問看護の泣き笑い』読書感想文コンクール 入賞作品

金賞 金賞 田村 月 さん(京都府立東稜高等学校 1年生)

【受賞コメント】このような賞をいただき、誠にありがとうございます。とても光栄です。

 

訪問看護の泣き笑い ~あなたのお宅へ今日もゆく~ を読んで

 

私は、母の勧めでこの「訪問看護の泣き笑い~あなたのお宅へ今日もゆく~」を読みました。

体験談一つ一つにすごく奥深い、物語がありました。訪問看護師さんが本気で患者さんやそのご家族に寄り添い、看護されているということを知り、とても感動しました。自然と涙がこぼれてしまう話もありました。

「今日も誰かの太陽に」と題された話では、訪問看護師であるHさんの患者さんに対する強い思いや訪問看護ならではの達成感、喜びまでもがひしひしと伝わってきました。話の終わりに、Hさんはこんな言葉を書かれました。「人は力より、“優しさ”に心を動かされるものなんだよ」 この言葉は、イソップ童話「北風と太陽」にある言葉です。そして続きに、「今日も、誰かの“太陽”へと・・・いざ出発です」と書かれています。私は、この二つの言葉に胸を打たれました。前者には納得、そして共感させられました。人に優しくするということは、心を開く、ということではないかと思います。「相手に心を開いてほしければ、まず自分から」と教わったことがあります。そうすることで相手の心を動かすことができるのではないでしょうか。後者には、Hさんの訪問看護に対する誇りを感じ、感動しました。自分の仕事に誇りを持っている人はかっこいいと思います。

家に行って看護をするだけじゃない、「住み慣れた自分の家、思いが詰まっている自分の家」で自分らしい人生を送るお手伝いをするのが、訪問看護師さんの役目なのではないかと思いました。

私は、訪問看護のことを全く知らなかったのですが、この本を読んだことで、とても興味を持つことができました。そして、人を笑顔にし、幸せにするこの仕事は素晴らしい仕事だと思いました。

 

銀賞 銀賞 原田 眞美 さん(一般)

【受賞コメント】この貴重な一冊との出会いを心より感謝します。

 

訪問看護の醍醐味 ―“訪問看護の泣き笑い”を読んで

 

「訪問看護の醍醐味とはまさにこれなのかもしれない」読んでそう感じた。エピソードの一話一話に利用者の様々な思いや人生があり、それを何とか支えよう、利用者の思いを大切に寄り添っていこうとする看護師さんの熱い思いもまた様々に描かれている。そこに建前やきれいごとは必要ない、どうすれば相手の気持ちを汲み取って寄り添うことができるか、支えられるかをひたむきに考える。文字通り泣きあり笑いありの世界で本人、家族も巻き込んで本音が飛び交いぶつかり合う。読んでいてそんな生きるエネルギー、迫力を感じ私も涙ぐんだり微笑ましさを感じていた。

私自身は同居する姑が70歳半ばで認知症になり、程なく身体障害の舅の症状も悪化、二人の介護を担い在宅で舅の介護の大きな支えが訪問看護だった。舅は6年前自宅で93歳で亡くなったがこの本を読んだ時、当時支えてくださった看護師さんと本に登場する看護師さんが重なりその温かみが蘇った。両者は全くの別人だが、利用者一人ひとり尊重して寄り添う(時には家族も含めて)思いが共通していた。昼夜を問わず、苛立つ舅に心身ともに追い詰められる私、優しくできない私に激高する舅、その間に立っていつも穏やかに温かく寄り添い、双方を気遣う看護師さんに舅の表情が柔和になったのを覚えている。

また、看護師さん自身も利用者や家族との関わりの中で、多くの気付きや学びを見出しているとこの本から感じた。利用者が一方的にお世話になる受け身の生き方をしているのではなく、利用者もまた様々な大切なことを示す貴重な存在なのだ。そう思うと今までの介護人生に何か明るい光が差し込んだ気がした。頑固でプライドが高く世話をかけてばかりの舅も、少しはお役に立っていたのかもしれないと可笑しくなった。私の今までの訪問看護の認識を変えたこの本、看護学生の息子が訪問看護の実習に行くので早速勧めた。訪問看護ならではの醍醐味を彼はどうとらえるか、興味深々だ。

 

銅賞 銅賞 大西 結月花 さん(京都府立洛東高等学校 3年生)

【受賞コメント】「訪問看護」に触れ合える機会をいただきありがとうございました。

 

処方箋は思いやりの心

 

訪問看護って介護とは何が違うのだろう、と訪問看護についての認識はあいまいでしたが、この本を読んで知ったこと、気付いたことがたくさんあります。

訪問看護師さんと患者さんの数々の物語りの中でも、『二人の合唱部』は特に印象に残っています。音楽をつくることは心を元気にしてくれますが、誰かと一緒だとその力は何倍にもなるものだと、私も音楽をしている一人として深く共感できました。

訪問看護ではターミナル期の患者さんも多いようですが、だからこそ心のケアは何よりも大切なのだと思います。その人が過ごしてきた家で、その人の人生・心に触れながら看護をする訪問看護は、最も患者さんに寄り添える医療ではないかと感じました。

しかしその一方で、医療的な判断を求められたり、患者さんとの問題を考えたりと、訪問看護師さんの負担は大きいのではないでしょうか。『帰れ! にもめげず』などを読んでからは特に、私が同じ立場でもめげずにいられるだろうかと考えました。それでもこの話の患者さんが徐々に訪問看護師さんを受け入れるようになられたのは、患者さんを想う訪問看護師の方の心があったからだと思いました。

どれだけ世の中が便利で技術が進歩しても、人の心を救えるのはやはり人です。このことは少子高齢社会の日本にとってますます考えていかなければならないことですし、訪問看護はさらに貴重になるだろうと思います。

物語の中には患者さんを看取られるという話もいくつか見られましたが、重い気持ちにならなかったのは、それぞれの患者さんとの出会いからたくさんのことを学んだという訪問看護師の方々の生き生きとしたメッセージを感じたためです。私もこれから訪問看護師の皆さんの活躍を応援し、また、私もどこかで誰かを支えられる人間に成長したいと思います。

 

 

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