洛和会音羽病院
音羽感染症
フェローシップ・
プログラム

感染症専門医となるために臨床感染症の基本的な考え方を身に付けたい方、かつ、総合内科の力も維持したい方のために、3年間の感染症フェローシップのプログラムを用意しております。また、希望があれば臨床研究にも参加することが可能です。洛和会音羽病院では学ぶことが難しい感染症領域については、院外で研修できる制度を用意しております。

トレーニングの場

洛和会音羽病院 感染症科(日本感染症学会連携研修施設)

一般的市中感染症および、総合内科のトレーニングを積むことができる

感染症科は全身に及ぶ疾患を扱うため、内科全般にわたる知識・経験の基盤が重要となる。病歴、身体所見、検査所見をどのようにアセスメントし、マネージメントをどうするか、疑問をどのように解決するか、コンサルタントとしてどのように期待に応えるか、思考過程およびコミュニケーション能力を重視し、感染症臨床医として独り立ちできるようにマンツーマンで指導する。研修内容は、入院患者担当、コンサルテーション業務、総合内科・感染症科外来(週1~2コマ)、ER内科当直など。
当科では、特に整形外科関連の感染症は症例が豊富であり、そのほか、心臓外科、形成外科、皮膚科関連などの感染症も扱う。また、トラベルクリニック、感染制御分野の経験も可能。総合内科ローテーション、カンファレンス参加により、内科の基本的なものの考え方を習得する。HIV、免疫不全状態の感染症の症例は相対的に少ない。
当院では学ぶことが難しい感染症領域については、院外で研修できる制度を用意している(3年間のうち4カ月間、給与当院持ち)。

プログラム責任者:
井村 春樹(いむら はるき)

カリキュラム

Ⅰ.一般目標(General Instructional Objective: GIO)

初期および後期臨床研修で身に付けた内科的臨床能力を土台とし、感染症専門医として習得すべき感染症全域に渡る基本的知識、診察法、思考分析法、問題解決能力、コンサルテーション能力、コミュニケーション技術、プロフェッショナリズムを習得する。

Ⅱ.行動目標(Specific Behavioral Objectives: SBOs)

感染症専門医に求められる専門的な臨床能力を身につけるために、以下にあげた行動目標を踏まえて研修を行う。

(1)感染症診断学
  1. 感染症を生じる主要な病原微生物の種類、疫学、病原性、発病機序、宿主応答、臨床症候について理解し、説明することができる。
  2. 感染症診断のために必要な各種診断法の種類、特徴、結果の臨床的意義について理解し、説明することができる。
    また、一部の診断法(グラム染色、チールニールセン染色、KOH直接検鏡など)については、自身で実施することができる。
(2)感染症治療学
  1. 抗菌薬の種類、特徴、適応、投与量、体内動態、副作用、薬物相互作用、コストなどについて理解し、説明することができる。
  2. 抗真菌薬の種類、特徴、適応、投与量、体内動態、副作用、薬物相互作用、コストなどについて理解し、説明することができる。
  3. 抗ウイルス薬の種類、特徴、適応、投与量、 、副作用、薬物相互作用、コストなどについて理解し、説明することができる。
  4. 感染症の補助療法について、その種類、特徴、適応、有効性、合併症などについて理解し、説明することができる。
(3)感染症予防学
  1. 感染症の予防方法について、その種類、適応、有効性、合併症を理解し、説明、実施することができる。
  2. ワクチンの種類、意義、疾病疫学、適応、投与方法、有効性、合併症、補償制度について理解し、説明することができる。
  3. 感染症専門医として知っておくべき基本的法律を理解し、説明することができる。
(4)感染制御・コンサルテーション業務
  1. 院内感染防止のための標準予防策、感染経路別予防策、起炎菌・疾患別予防策を理解し、説明、実施することができる。
  2. 院内サーベイランスの種類、実施方法、結果の解釈方法について理解し、説明、実施することができる。
  3. 感染制御に関する日々の問題点に対して、現状分析を行い、科学的根拠に照らし合わせて解決方法を見いだし、現場を指導できる。
  4. 入院・外来患者の感染症に関する各部門からのコンサルテーションに対して、診察、検査計画立案、検査結果解釈、問題点整理、文献調査を行い、自ら治療計画を立てて治療を行い、患者や相談者の期待に応えるべく、誠実に努力することができる。
(5)臨床研修・基礎研修

研修期間中に、感染症に関する3回以上の学会発表と、1編以上の論文執筆を行う。

(6)専門医資格の取得

研修終了後は、受験資格が整った段階で、感染症専門医研修中の臨床経験をもとに、日本感染症学会専門医認定試験を受験する。

Ⅲ.方略

(1)研修期間

通常、計3~4年間。(特別な事情がある場合には2年間も可とする)

(2)研修方法
  1. 入院患者の担当医として、診断・治療・他科からのコンサルテーション業務を行う。週1~2回の外来診療を行う。
  2. 感染制御チーム(ICT)の一員として、院内での感染予防策を立案、実行し、啓蒙活動、サーベイランス業務などを行う。
  3. 微生物検査室において、微生物検査の基礎的知識・手技について理解し、臨床的判断に応用する。
  4. 院内外の、各種感染症勉強会に参加、発表する。
  5. 定期的に開催される感染症抄読会、勉強会、症例検討会などに積極的に参加し、発言する。
  6. 感染症関連の学会において積極的に発表する。
  7. 感染症関連の雑誌に1編以上の論文を発表する。
  8. 機会があれば臨床研究・臨床試験に参加し、医学の発展に貢献する。

Ⅳ.評価方法

逐次的に指導医による形成的評価を受ける。ローテート修了時には、指導医による口頭試問を受ける。
感染症専門医認定試験の結果を総括的評価とする。

募集要項

プログラム責任者 井村 春樹(洛和会音羽病院)
対象者 卒後5年目以上で日本内科学会認定医取得済みの方
応募期間 2022年12月末まで
募集人数 1~2人
面接時期 日時はご相談の上、決定いたします
研修期間 2~4年間(通常は3年)
修了時の到達目標 感染症臨床医として、幅広い領域のマネージメント、コンサルテーションに対応できる
臨床力を習得し、医療機関の感染症部門での責任者として従事できる
日本感染症学会感染症専門医試験を受験し、感染症専門医となる
選考方法 1次選考:書類
2次選考:面接 (面接日、場所は応募者に直接ご連絡します)
待遇 洛和会音羽病院の規定により定める

提出書類

  • 履歴書
  • 推薦状
  • 論文【テーマ:「私の目指す感染症科医師像」(800字程度)】
    封書の表に「音羽感染症フェローシップ書類」と明記し、下記までご送付ください。

[送付先]
〒607-8062 京都市山科区音羽珍事町2
洛和会音羽病院 感染症科
井村 春樹 宛

お問い合わせ・お申し込み先

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