洛和会音羽病院
洛和会音羽リハビリテーション病院

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リハビリテーション部

腎臓の機能低下に伴う種々の症状、疾患に対して腎臓リハビリテーションを基礎として、患者さんが入院前の生活に戻れるように多角的なアプローチで支援します。

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腎臓リハビリテーションについて

腎臓は血液中の老廃物を体外に取り除くための機能だけでなく、血液を作る働きを助けたり、骨を強くする作用、血圧を調整したりする作用もあります。腎臓の機能が低下すると、これらの症状も同時に現れてくることも多いです。また、透析療法は長期に渡ることも多く、腎臓の機能低下に伴う身体的な影響だけでなく、精神的な影響、社会的な影響、職業的な影響、ご家族への影響も考慮しなくてはなりません。腎臓リハビリテーションとは、身体的な症状を改善するための運動療法、食事療法、薬物療法や患者教育だけでなく、患者さんを中心とした全人的なアプローチを行うことです。

理学療法士(PT)の役割

透析療法を受けられておられる患者さんは、透析の前後で血圧の変動が大きく、透析日と非透析日でも身体状況は大きく異なります。また、心臓や肺への負担も大きいことから、疲れやすいことも透析療法を受けておられる患者さんの特徴となっています。当院の理学療法は、これらの透析療法を受けておられる方の特有の特徴を踏まえつつ、その方個人の身体的機能や個々の生活環境や社会的背景などを考慮した目標の設定、運動プログラムを提供しています。それは運動や指導を通して、今までできていたことができなくならないようにすること、一旦できなくなったことを再びできるようになること目的にしています。またできなくなってしまった事に対して福祉用具を使用したり、住宅改修の提案をさせていただいたり、介護方法をご家族に対してご指導させていただくことで、その人が、その人らしく、誇りを持って、今までの生活習慣や住み慣れた生活環境を継続していただけることを目的としています。
当院には理学療法士の資格以外に、腎臓リハビリテーション指導士、認知症の方に対するケアのアドバイスを行う認知症ケア専門士の資格を有するもの、住宅環境のアドバイスを行う福祉住環境コーディネーターも在籍しておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。

作業療法士(OT)とは

当院の作業療法(OT)の目的は、「透析を受ける人」と「そのご家族」の健康と安寧、幸福を促進するために行う作業に、焦点を当てた治療や支援をさせていただきたいと考えています。対象となる方々との対話を通して、その方にとっての目的や意味と価値のある生活行為(食事・排せつ・更衣・入浴・整容などのセルフケアや家事などの役割、あそびや余暇、睡眠や休息、仕事などの生産活動)や、とりまく環境(支援する人や物、制度、社会、文化)も治療や支援の対象としています。

透析と作業療法

自分にとって意味のある生活習慣、歩行、入浴や着替えなどの自己管理(セルフケア)、家事や子育てといった役割、楽しみにしていた旅行や趣味に関する余暇活動、生活を営むうえで欠かせなかった仕事、町内会や地域の人たちとの交流。これまで当たり前のようにできていた生活行為(作業)が、透析治療の開始により出来なくなる(おっくうになる)、家族からも「やらなくていいよ」と言われるようなことがありませんか?
作業療法士は、透析医療の中にあってもその人の暮らしに注目して「何かやってみたいこと」、「うまくできるようになりたいこと」、「誰か(家族や大切な人)から期待されていること」に焦点を当てる専門職です。
当院の作業療法では、これまでの暮らしの中で大切にしてきたこと、今ある暮らしの問題について注目・共有し、〝透析のある暮らし″の中で理想の生活像を共に描いていきます。そして、他の職種やご家族らの協力のもとで、その生活像の可能化に努めています。

入院療養と作業療法

合併症などで入院すると地域社会(仕事やデイサービスなど)や在宅生活(家族)とのつながりが薄れ、透析による時間的な制約、透析中の心身の不自由さと拘束感や孤独感などがより強く感じやすくなります。入院療養が長期化すると、今までの経験、習慣、好みや価値観に基づいていた生活行為(食事、更衣や整容など)を行う機会も減少します。このような状態は特に高齢者にとっては「自分らしさ」を見失う望ましくない状態です。入院早期より作業療法士が個別に支援できることは、これらの予防にもつながります。
入院療養中の作業療法は、個人の考え方や心身の状態に合わせた目標と計画・プログラムを立案しています。入院療養中であってもその人らしく生活することを支援の基盤として、心身機能や生活能力の低下の予防、地域社会・在宅生活復帰に向けて必要に応じて外出への同行、入院時と退院前の訪問アドバイスなどを行っています。また、療養中の楽しみになるような余暇活動の提案に加えて、心身に生じる苦痛の緩和と機能改善に向けたトレーニングやアドバイスも行っております。

摂食嚥下機能療法

摂食嚥下機能療法では「食べにくい」や「飲みにくい」そして、「しゃべりにくい」に対するリハビリテーションを行います。皆さんはご飯を食べるときや言葉をしゃべるときに体のどの部分を使うでしょうか?唇や舌、頬、のどなど、実は「食べる」と「しゃべる」は多くの共通する器官を使います。そのため、食べるための訓練は同時にしゃべるための訓練にもなります。

発声・構音訓練

「しゃべりにくい」「声がかすれる」といった発声・構音の機能低下に対して、発声方法の訓練や構音に必要な筋のトレーニングといったリハビリテーションを行います。

摂食嚥下機能訓練

「食べにくい」「飲みにくい」という摂食嚥下機能の低下に対して、ポジショニングや口腔器官のストレッチや筋肉トレーニングを行います。
他職種と連携して、経口摂取可能な方には食事形態を調整することで安全においしく充分量の食事を摂れることを目標に介入します。

透析と摂食嚥下機能療法

透析患者さんは食事に大きな制限を抱えており、水分量や塩分量など多岐にわたる制限が必要不可欠な方も少なくありません。そんな中で「食べることが唯一の楽しみ」と言われる患者さんも少なくありません。透析患者さんが嚥下機能に低下が生じたとき、食べること飲むことにさらに制限を加えなければならない事態に陥ります。ただ「お茶を飲むとムセるからとろみ剤をつける」「歯がなくて食べにくいからおかゆを食べる」といった対処をされていることはないでしょうか。能力以下の食事を食べ続けると本来食べられていたものを食べる能力ですら低下します。どんな食事が食べられないのか、飲むことができないのか、どんなリスクがあるのか。どのリスクならば許容でき、どんなリスクならば回避すべきなのか。それらを正確に評価することで、今現在の安全に摂食できる食事を選ぶことができますし、嚥下機能の回復によって、より希望に近い食事を摂ることができるようにリハビリテーションを行います。

NSTと摂食嚥下機能療法

NST(Nutrition Support Team,栄養サポートチーム)とは患者さんに最適の栄養管理を提供するために、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、看護師や薬剤師などで構成された医療チームです。患者さんの最適な栄養管理のためには多角的な視点が必要であり、必要に応じてミールラウンド(多職種による食事の評価観察)を行い、各専門職の意見を踏まえて今後の方針を考えていきます。当院にて定期的に行われているNST委員会に摂食嚥下機能療法を行う言語聴覚士も参加しています。

摂食嚥下機能療法とご家族

「できる限り口から食べて欲しい」「たくさん食べないと元気にならない」
食事に対してご家族から強い希望を受けることも少なくありません。
ご本人、ご家族からの希望に可能な限り寄り添い、最も安全な方法で患者さんの生活の質の向上を目指して介入をしています。

言語聴覚士(ST)の役割

これほどまでに多彩な「料理」をする動物は人間だけです。これほどまでに複雑化した「会話」をする動物も人間だけです。「食べること」「しゃべること」はその意味で最も人間らしい行為であり尊厳の一つだと思います。病気や加齢によって、多くの権利を奪われる中で人間が最も人間らしく生きるためには多くの支援を必要とします。その一助として、患者さん一人一人の希望に寄り添って「食べること」「しゃべること」のリハビリテーション(尊厳の再獲得)に努めてまいります。

スタッフ紹介(2023年4月現在)

  • 理学療法士:7人
  • 作業療法士:4人
  • 言語聴覚士:2人

認定資格

  • 3学会合同呼吸療法認定士:3人
  • 認知症ケア専門士:2人
  • 福祉住環境コーディネーター2級:3人
  • 福祉用具プランナー:1人
  • 介護支援専門員:1人
  • AMPS認定評価者:1人
  • ESI認定評価者:1人
  • A-ONE認定評価者:1人
  • 心電図検定3級:1人
  • 腎臓リハビリテーション指導士:3人
  • A-QOA認定評価者:1人
  • NST専門療法士:1人

書籍・出版物

2016(平成28)年

  • 作業で結ぶマネジメント 〜作業療法士のための自分づくり・仲間づくり・組織づくり〜
    医学書院 分担執筆p.166-167
    志村 邦康:第8章「多職種と作業の視点で共有する⑥ OT newsletterの活用」

研究実績

2023(令和5)年

  • 「長期入院患者に対する「できるADL」から「しているADL」への移行を目指して- 川モデルを使用した実践例 -」
  • 谷本大:第13回 日本腎臓リハビリテーション学会学術集会 2022.3.18~3.19

2022(令和4)年

  • 「せん妄を呈した患者に対して入院早期から心理的サポートを重視した介入」
    志村邦康: 第9回慢性期リハビリテーション学会 2022.2.3~2.4
  • 「透析患者における経口摂取可否の要因について」
    梅田 大五: 第12回 日本腎臓リハビリテーション学会学術集会 2022.3.26~3.27

2021(令和3)年

  • 「せん妄を起こした患者に対し、自宅退院ができた一例」~リアリティ・オリエンテーションの重要性について~
    大久保 彩加:第56回京都病院学会 2021.10.24~11.28
  • 2020(令和2)年

    • 「どんな仕事でもやりたい」 〜当院の腎臓リハビリテーションにより社会復帰の希望をもたらす事ができた症例〜
      谷村 信:第10回日本腎臓リハビリテーション学会学術総会[東京]2020.2.22〜23

    2018(平成30)年

    • 当院の運動療法について
      倉 沙也加:第15回京都透析看護研究会[京都]2018.7.29
    • 透析中の運動療法 ~当院での取り組み~
      北本 雄大:第8回透析運動療法研究会[北海道]2018.7.27~28

    2016(平成28)年

    • 多職種連携に向けたはじめの一歩 〜OT newsletterを活用した取り組み〜
      志村 邦康:第24回慢性期医療学会[石川]2016.10.27~28
    • その人の大切な作業を支援する環境づくり 〜OT newsletterの活用とアンケート調査から見えたこと〜
      志村 邦康:第50回日本作業療法学会学術集会[北海道]2016.9.9〜11
    • その人の大切な作業を支援する環境づくり 〜OT newsletterの発行〜
      志村 邦康:第3回日本臨床作業療法学会学術大会[東京]2016.3.18〜19
    • 将棋を基盤にした在宅復帰支援
      志村 邦康:第3回慢性期リハビリテーション学会[兵車]2016.2.27〜28

    2015(平成27)年

    • その人の大切な作業で紡ぐリハビリテーション
      志村 邦康:第50回京都病院学会 要望演題(職員・患者を元気にする取り組み)[京都]2015.6.14
    • 「将棋は好きでっせぇ」から支援する
      志村 邦康:第2回日本臨床作業療法学会学術大会 [沖縄]2015.2.6〜8

    2014(平成26)年

    • 洗濯で支援する
      志村 邦康:第49回京都病院学会 要望演題(認知症を有する患者への医療)[京都]2014.6.8
    • Institutionalismと作業療法 ~ADOCで見つかった大切な暮らし~
      志村 邦康:第4回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会[福岡]2014.3.29~30
    • 「手紙を書く」を支援する
      志村 邦康:日本臨床作業療法学会第1回学術集会[神奈川]2014.3.22~2014.3.23
    • 当院でのNST勉強会 〜作業療法士としての取り組みと効果〜
      志村 邦康:第29回日本静脈経腸栄養学会学術集会[神奈川]2014.2.27~28

    2012(平成24)年

    • 側頭葉損傷により社会的行動障害を呈した患者に対する作業療法介入 〜anger burstへの介入〜
      志村 邦康:第46回日本作業療法学会学術集会[宮崎]2012.6.15〜17

    参加学会・研究会

    • 日本腎臓リハビリテーション学会
    • 日本フレイルサルコペニア学会
    • 認知症ケア学会
    • 日本臨床作業療法学会
    • 京都作業療法実践研究会

〒607-8116
京都市山科区小山鎮守町29−1



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