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血液透析

血液透析とは

血液を体の外に取り出し、ダイアライザーと呼ばれる人工腎臓を介して余分な水分や老廃物を取り除き、必要な物質を補充して、きれいになった血液を再び体内に戻します。通院は週2~3回。治療時間は1回あたり4~5時間です。

以下、人工透析のポイントである、ブラッドアクセス、ダイアライザー、透析液について説明します。

  • ブラッドアクセス(シャント)
    血液をからだの外に出して、戻す出入り口になる血管です。動脈とつないだ静脈を使用するのが一般的です。
  • ダイアライザー
    中に多数の細い管(中空糸)が入っています。この管は非常に小さい孔があいています。血液は管の中を通り、透析液は管の周りを流れます。体に必要な血液やタンパク質は大きいためこの孔を通過することはできません。
  • 透析液
    透析液は正常な血液に近い濃度の電解質を含んでおり、血液との濃度差で物質のやり取りをします。透析液は1人に1回120~150Lを必要とします。(1分間に500ml)

洛和会音羽記念病院 血液透析の流れ

1.
透析開始予定時間前までにご来院ください。
2.
更衣室にて、透析治療を受けやすい服装に着替えてください(着替えずに入室していただくこともできます)。
3.
透析室にて体重測定をしていただきます。
4.
透析用のベッドに移動していただき血圧を測ります。この時に体調の変化などスタッフがお聞きいたします。必要に応じて医師の診察を受けていただいてから透析を開始いたします。
5.
体から血液を取り出すための針と、体へきれいになった血液を返すための針、2本の針を刺して透析治療が始まります。
6.
透析治療は平均4時間行います。透析治療中は快適にお過ごししていただけるようテレビを無料で視聴いただけます。治療中はリラックスした状態でお過ごしください。
7.
透析時間が終了したら、体内へ血液を戻します。
8.
血液が戻ったら、針を抜き止血確認します。
9.
体重測定をしていただきます。
10.
更衣室で着替えていただき、ご帰宅となります。

足病変がある方も多く、爪切りや水虫治療なども透析中に行います。元気な方は、透析中にも自転車こぎなどの運動をします。

血液透析の利点

透析新聞

  • 病院にて医療スタッフの下で、透析医療が受けられます。

洛和会音羽記念病院では、臨床工学技士が月2回「透析新聞」を発行し、透析に役立つ豆知識を患者さんにお届けしています。


血液透析の合併症

透析を行えばある程度までは普通に生活することが可能です。しかし透析療法そのものに腎臓を良くする作用はなく、腎臓の働きを完全に補うものでもありません。透析は生涯続けていく必要があり、続けていくことでいくつかの合併症が生じる場合があります。

症状・所見

  • 心臓の機能の低下
  • 脳卒中・心筋梗塞などの心血管イベント
  • 高リン血症
  • ビタミンD不足
  • 副甲状腺ホルモン(PTH)の増加
  • 骨の異常
  • 動脈硬化
  • 腎性貧血
  • 透析アミロイド症
  • 免疫低下・感染症
  • かゆみ

また、維持透析を行っている患者さんは、高齢化や糖尿病、腎不全などが原因で多くの足病変を起こす危険性を伴っています。無自覚のうちに下肢虚血が進行し、傷が悪化してしまうと最悪の場合には下肢切断の可能性があり、生命予後も悪化してしまいます。

洛和会音羽記念病院では、フットケアスタッフがリスク分類に合った期間ごとに定期的なフットチェックを行うことで、けがや血流障害が悪化する前に専門医に相談し、早期発見・早期治療を目指しています。また、ご希望の患者さんには爪の処置やタコ削り、セルフケア指導を行っています。

緊急シャントオペ対応

緊急受け入れエリア

洛和会音羽記念病院 ブラッドアクセス外来では、シャントに関わる検査から治療、手術、入院まで一貫した体制で可及的速やかに対応。年間1,600 件を超えるブラッドアクセス治療を行っています。シャントトラブルなどでお困りの方がおられる際は、まずご相談ください。
また、緊急受け入れエリアは京都府、大阪、滋賀県、三重県、奈良県、兵庫県、福井県、石川県の2府6県まで拡大し、無料送迎で対応を行うなど、外部医療機関からの緊急オペの受け入れも強化しています。


透析Q&A

医療費負担は?

人工透析導入患者に適用される医療費補助は主に2つあります。
自立支援医療(更生医療)と特定疾病療養受療証です。
自費負担で月額30万円以上かかる透析費用を、所得に応じ1カ月2万円以下に抑えることが可能です。
詳しくは、お住まいの地方公共団体でお問い合わせください。

いつも同じ腕、同じ箇所で透析をしていたら、血管がボロボロになりませんか?

透析のたびに2本の針を刺すため、当院ではブラッドアクセス(シャント)管理スタッフが定期的にシャントに異常がないか確認いたします。できるだけ同じ箇所を使い、痛みが少なくなるようにしています。ただ、どれだけ使えるかは個人差が大きく、2週間でだめになってしまう人もいれば20年も同じ箇所を使えている人もいます。

上手に血管を使い続ける工夫はありますか?

透析に使う腕は、それ以外の採血や血圧測定には使わないようにします。雑菌や出血の可能性を考えて、透析した日は入浴は控えてください。手洗いの際は、シャントの部分まで、清潔にするようにします。

働きながら透析を受けることは可能ですか?

当院では、仕事後に透析を受けられるよう、月・水・金曜日は夜間透析(午後6時~)を実施しています。

介護が必要なのですが、透析治療は受けられますか?

人工透析は週3回前後必要ですので、毎回、送迎を行うとなると大きな負担になります。また、介護タクシーを利用するなどで、患者さんやご家族の費用負担になる場合もあります。当院では、そういったご負担を軽減するため、京都市内はもちろん、近隣県からの無料送迎を実施しています。まずはお問い合わせください。

介護従事者の方へ >

洛和会音羽記念病院 地域連携課

TEL:075(594)8010(代)

また洛和会音羽記念病院は、老人保健施設「洛和ヴィラアエル」を併設しており、短期入所(ショートステイ)のご利用や一般入所も可能です。透析治療と生活支援の両面で、医師、看護職員、介護職員、リハビリテーション職員、管理栄養士がお手伝いします。
高齢のご家族の透析治療に不安を感じられている方は、お気軽にご相談ください。随時見学も受け付けています。
※腹膜透析を行っている方には入所いただけませんので、ご了承ください。

洛和ヴィラアエル

TEL:075(594)8020

旅行先での透析はどうすればよいですか?

洛和会音羽記念病院では、旅行で京都に来られる透析患者さんの受け入れを行っています。京都市内の宿泊ホテルに車でお迎えにあがります。詳しくはこちらをご確認ください。

旅行透析について >

また他府県へご旅行の場合は、旅行先でも透析を受けられるよう近隣の透析施設をご紹介します。