栄養管理室
管理栄養士は、患者さんの病状に合わせた栄養指導や入院中の治療食の提供を通して栄養管理を行うことが主業務です。医師、看護師、技術部門と協働し、治療、合併症の予防、低栄養の予防など、患者さん一人一人に適切な栄養サポートを行えるよう努めています。
入退院支援センターでは、食物アレルギーや栄養状態、嚥下機能などの情報を事前に得ることで、入院中の栄養管理に役立てています。また退院時には、転院先、訪問看護ステーション、ケアマネジャーに、入院中の栄養管理情報を提供するなど、退院支援にも力を入れています。
所属長のひとこと
課長
長谷川 由起(はせがわ ゆき)
食事や栄養面についてご心配なことや困っていることがございましたら、管理栄養士にお声掛けください。
スタッフ紹介(2020年9月現在)
管理栄養士:7人、事務職員(栄養士):1人
- 日本糖尿病療養指導士:2人
- 栄養サポートチーム(NST)専門療法士:3人
- 腎臓病病態栄養専門管理栄養士:1人
- 介護支援専門員:1人
業務内容
食事提供
医師の指示のもと、患者さん個々の状況に応じた栄養管理計画を立て、計画に見合った食事提供を目指しています。特別な制限のない一般食と、疾患の治療のための食事である特別治療食があります。
2020年6月から、酵素を使った調理法で、肉や魚を軟らかく提供できるようになりました。
病院食をリニューアルしました!
2020(令和2)年6月から、環境の変化や病状、治療(投薬や手術など)の影響で食欲不振に陥った入院患者さんにも食べやすい食事を提供する目的で、酵素を使用した調理法を導入しました。
その結果、以前に比べて、“肉の硬さ“や”魚のパサつき“を改善し、軟らかく食感の良い料理の提供が可能になりました。その他にも、色合いの改善や人気メニューを増やすなどの工夫を行っています。
今後も、患者さんに喜ばれる食事を提供し、患者さんの栄養状態の改善・維持に努めたいと思います。
入院中の栄養管理についての情報提供も行っておりますので、ご不明な点はお問い合わせください。
言語聴覚士(ST)からのコメント
以前と比べて、常食や軟菜食は、はしやスプーンで切り分けやすく、食べやすい硬さになっています。歯を使わなくても、舌で押しつぶせるほどになりました。
栄養管理
患者さん一人一人の病状や身体状況に合わせて、病気の治療、合併症や低栄養の予防に必要な食事の提供、栄養に関する指導、助言を行っています。
医師、看護師、薬剤師やその他医療スタッフと連携し、カンファレンスに参加し、必要な方にはNST(栄養サポートチーム)回診、緩和ケア回診を行い、食形態の変更、自助食器や食具の提案、栄養補助食品の提案など栄養面のサポートを行っています。
栄養指導
心臓病や糖尿病などの生活習慣病の療養には食事療法がとても重要です。また、手術後には、術後の栄養管理のための適切な食形態や食品の選択、栄養状態の維持などの栄養療法が大切です。嚥下障害には適切な食品の選択や簡便な調理法、低栄養やがん治療中のときには、体を維持するために食べやすい食品の選択など、患者さん一人一人の思いを受け止めながら、状況に合った食事内容の提案を行うようにしています。
入院中のみならず、外来・心臓リハビリテーションでご通院中の患者さんを対象に、医師の指示に基づき管理栄養士が個別に栄養指導を随時行っています。ご本人が対象ですが、ご家族にも同席いただけます。
2019年の業務実績
- 栄養指導:1,423件
- NST(栄養サポートチーム)回診件数:263件
学術活動(共同研究や学会、論文、著書など)
- 第54回京都病院学会 2019年6月
- 「緩和ケア病棟開設に向けた栄養管理室の取り組み」山根 宏子
- 第55回京都病院学会 2020年6月
- 「サイクルメニュー126品目の嗜好調査を実施して」兼田 紫帆