泌尿器科 前立腺がんは怖くない!!

 

前立腺がんは、50歳を越えた男性にみられる悪性腫瘍で、近年その患者数、死亡数は、増加傾向が続いています。特に死亡数の増加率は、すべてのがんの中で第1位となっています。前立腺がんは、初期には自覚症状がほとんどないため、発見が遅れがちになってしまい、症状が出てきた時には、病気はかなり進行しているという怖い病気です。
しかし、早期に発見すれば完全に治すことも可能で、治療前と変わらない生活を送ることができます。従って早期発見のために50歳を越えた方には、前立腺がん特異抗原(PSA)の検査をお勧めしています。この検査は、一般の血液検査と同じですから患者さまの身体への負担も少ないと思います。

当科では、前立腺がんに対して早期発見、早期治療を心がけています。早期前立腺がんの場合、治療の選択肢はいくつかありますが、現状では、根治手術が最も良い治療法と考えます。前立腺の根治手術をする場合、患者さまにとって最も大きな負担となるのは、術後の尿失禁の問題です。当科では、手術後の尿失禁が最短時間で収まるよう手術に工夫を凝らしており、ほとんどの方が退院時には、排尿のコントロールがつく状態で帰られます。従って、入院から退院までが10日から2週間という短期間で済みます。手術後は、尿道から膀胱にかけてカテーテル(管)を留置しますが、当科でのカテーテル留置期間は5日で、経過の良い方では、カテーテルを抜いた直後から、尿が漏れることがありません。最近行った手術30症例を検討しますと、尿失禁が収まるのに要した日数は、0日:10%(3/30)、3日以内:53.3%(16/30)、2週間以内83.3%(25/30)でした。欧米の論文では、前立腺がん根治手術後、尿失禁の収束率は、3ヵ月で50%程度です。

また、前立腺がんの手術時に問題となるもう一つの点として、男性機能の問題があります。前立腺の裏側には、ちょうど電車の2本のレールのように勃起を司る神経が走っています。この神経を温存することで男性機能を保持することが可能です。神経温存をするには、より早くがんを見つける必要があります。つまり、前立腺内でのがんの広がりが小さいほど神経を温存できる可能性が高くなるということです。こういった観点からも私共は、PSA検査をお勧めしています。

以上、前立腺がんについて簡単に述べましたが、詳細は洛和会音羽病院泌尿器科で、ご相談ください。

泌尿器科部長 西村昌則

 

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