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乳がんの診断から治療まで

乳がんとは

乳腺に発生する悪性腫瘍です。
症状を伴わないことがほとんどですので、ある日突然しこりに気が付くといったことはよくあります。また、小さいがんや奥の方にあるがんは自分で触ってもわからないことも多く、マンモグラフィをはじめとした画像検査を受けていただくことが大切です。
マンモグラフィ検診の普及に伴い、非浸潤がん(乳管の中だけにとどまり、臓器転移を来すことがない初期のがん)の段階で発見される割合が10%を超えるようになってきました。

胃・大腸・肺などのほかのがんと比べると悪性度が低いため、転移再発がゆっくり進むと、5年を過ぎてから再発が見つかることもまれにあります。それゆえ、乳がんの場合には術後10年間の経過観察が必要と言われています。その間に反対側の乳房も乳がんになる方が2%ほどおられるため、定期的な乳がん検診も必要です。

乳がんの診療方針

~きれいに治すことを大切にしながら、一人でも多くの方が乳がんを克服することを目指しています~

2008(平成20)年ごろから、手術療法を徐々に見直してきました。温存率の高さを目指すよりも、根治度を減らさない状態で整容性を高めるという方向性で、改善を行ってまいりました。
現在は、進行した状態でなければ、リンパ節や手術の術式の選択肢が広がってきています。

リンパ節に関しては、リンパ節転移がないことを証明するセンチネルリンパ節生検を行い、安全に郭清を省略することが標準的な治療となってきました。
また、従来からの放射線を併用した乳房温存手術は、入院期間も短く負担の少ない手術と言えます。
乳頭に近かったり、乳腺内に広汎に広がる病変に対しては、乳腺組織は全て取り去りますが皮膚は多く残すSSM(Skin Sparing Mastectomy)や、乳輪からの距離が十分あれば、乳輪乳頭も残すNSM(Nipple Sparing Mastectomy)なども行えるようになってきました。SSMやNSMでは、多くの皮膚が残せることから整容性が高い手術となっています。

また、SSMやNSM、通常の乳房切除術では、自家組織で乳房再建することが可能で、一期的に手術を行うことで乳房の喪失感を味わわずに済みます(同時再建)。ほかに、組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)を挿入し、インプラント(シリコン製人工乳房)に入れ替える方法も選択することができます。乳房切除を行い、乳房再建を行う方法は、放射線を併用する温存手術に比べ整容性に優れています。再建術は、厳密にはがんの治療の一部ではありませんが、そういったところまでが保険診療の範囲内で行えるようになってきました。
進行した症例にも乳房再建の応用は可能です。乳房を再建することで、少しでも胸を張って生きていける自信のようなものを提供することができたら良いと考えています。(進行症例の場合には、放射線療法や全身治療(抗がん剤)などとの兼ね合いがあり、慎重に方針を立てることが必要となります)

病気を治すだけでなく、元気に美しく生きていっていただく手助けが少しでもできるよう、形成外科医や看護師、薬剤師、理学療法士など他業種が関わり、皆さまを支えていきたいと考えています。

乳がんの検査~診断確定までの流れ

検査

マンモグラフィ(エックス線)検査 または 乳房超音波(エコー)検査

  • 精密検査の要否
  • 病変に対しては良性・悪性の鑑別

良性疑い

(必要に応じて針生検)、経過観察

悪性疑い

針生検(必要に応じてMRI、マンモトーム生検など)

乳がんのサブタイプの予測

  1. ホルモン感受性の有無
  2. HER2遺伝子(※)の発現状況
  3. がんの増殖能力(Ki-67 または MIB-1 index)
  4. 直接的な遺伝子検索(OncotypeDxなど)

これらの情報で大きく5つのサブタイプに分かれ、それぞれ治療方法が異なってきます。

ホルモン受容体陰性 ホルモン受容体陽性
HER2
陰性
トリプルネガティブ
→化学療法
ルミナールAタイプ
→ホルモン療法
増殖能
低い
ルミナールBタイプ(HER2陰性)
→ホルモン療法+化学療法
増殖能
高い
HER2
陽性
HER2タイプ
→化学療法+抗HER2療法
ルミナールBタイプ(HER2陽性)
→ホルモン療法+化学療法+抗HER2療法
増殖能
問わず

※タンパク質の一種でがんの増殖に関係している遺伝子と考えられている。

治療開始

薬物療法、手術、放射線治療など

乳がんの治療方法

乳がんの治療方法

乳がんは乳房の中の乳管に発生します。全体の10~15%の乳がんは、がんが乳管の中にとどまっている非浸潤がんです。非浸潤がんには局所治療(手術±放射線)を行います。
がんが乳管の基底膜を破って外に出てくると浸潤がんとなり、しこりを感じるようになります。浸潤がんでは局所治療に全身治療が加わります。どの全身治療を行うかは、上記のサブタイプに沿って選択します。
当院では、総合病院である利点を生かし、形成外科放射線治療科と協力をして、整容性に優れた治療に取り組んでいます。


局所(※)治療

※乳房(皮膚・乳腺・大小胸筋)および所属リンパ節(腋窩・鎖骨上・傍胸骨・リンパ節)が該当

手術療法

乳がんの治癒をめざすのであれば、手術は避けて通れません。病変が大きかったり、病気の広がりが大きい場合には、乳房切除が必要となります。
病変が小さければ、放射線療法を併用することで、胸の膨らみを残す手術が可能です。

乳がんの手術の目的

原発巣を取り除く

乳房温存手術や乳房切除術を行い、乳房の中にできたがん細胞を全て取り除くことが根治に必要です。

リンパ節の郭清

がんが広がると、血管やリンパ管を通して転移することがあります。腋のリンパ節にがんが残るとそこから再発します。
腋のリンパ節転移の個数が治療方針に関わります。リンパ節を郭清すると、腕がはれたり(むくみ)することもあり、がんが転移していない場合、リンパ節は切除しなくても良いです。

手術療法の種類と選択

大きく2つに分けて「乳房温存手術」と「乳房切除手術(胸筋温存乳房切除術)」があります。それぞれのメリット・デメリットは下の表の通りです。

手術の種類 乳房温存手術 乳房切除手術
再建手術なし
乳房再建手術
(インプラント)

乳房再建手術
(自家組織を移植)
メリット
  • 乳房を残せる
  • 体への負担が少なく、回復が早い
  • 乳房切除によって乳腺組織が全切除されるため、遺残(がん細胞の取り残し)が起きず、リンパ節転移などがなければ放射線療法が回避できる
  • 手術が一度で済むので、入院期間が短く、治療費用が抑えられる
  • 手術後何年経っても、年齢に関わらず再建できる
  • 自然な触感の乳房ができる
デメリット
  • 遺残(がん細胞の取り残し)が起きる可能性がある
  • 温存できても、手術により変形したり、左右のバランスが崩れたりして、整容性が損なわれる場合がある
  • 術後の放射線療法が必須になる
  • 自身の乳房が残せない
  • 他人との入浴に気兼ねする方が多い
  • 左右のバランスがくずれて、肩こりや腰痛が起こることがある
  • 手術が複数回必要になり、入院の期間が長くなり、治療費用の負担が増える
  • 乳房とは触感が異なる
  • 自身の乳房の形や大きさが変わると、将来的にバランスが崩れることがある
  • 新たな傷あとができる
  • 体への負担が大きい
備考 乳がんの大きさや場所によっては、適応できない場合がある   インプラント(シリコン)を用いた治療は、以前は自費治療だったが、現在はラウンド型(おわん型)とアナトミカル型(しずく型)の2タイプのインプラント、ティッシュ・エキスパンダー(インプラントを挿入する空間を作る機械)が保険適用となっている  

近年は、乳房切除手術+再建手術(インプラント)のほうが有利と考える人も増えており、2015年現在では、乳房温存手術を選択する方が4割前後、乳房切除手術+再建手術を選択する方が6割前後となっています。

また、当院では、比較的早期の乳がんで脂肪組織への進展がなければ、NSM(Nipple Sparing Mastectomy:乳頭・乳輪温存乳房切除術)SSM(Skin Sparing Mastectomy:皮膚温存乳房切除術式)といった、皮膚をできるだけ残す手術も積極的に行っています。
がんが乳頭から離れていれば乳頭・乳輪も残せますし、放射線療法が回避できる可能性も高いです。皮膚を広く残すことができれば、見た目のキズも小さく、インプラントを使った再建をする場合にはティッシュ・エキスパンダーで皮膚を拡張する量が少なくて済むなど、さまざまな利点があります。

乳がんの手術術式の変遷

放射線療法

放射線治療装置
放射線治療装置

乳房温存手術には、ほぼ全例で放射線照射が施されています。放射線照射することで、乳房切除術とほぼ同等の成績を保っています。
リンパ節転移陽性の場合には、胸壁照射を追加すると、予後が改善されます。
そのほか、再発し骨転移がある場合の局所治療も行っています。


抗がん剤(化学療法)

抗がん剤(化学療法)
外来治療センター(化学療法)

ガイドラインに準拠した標準治療を心掛けています。
医師、専門の薬剤師、看護師によるチーム医療を行っており、RDI(相対治療強度)を保つ治療を心掛けています。
2019(令和元)年10月、洛和会音羽病院では抗がん剤治療を行う「外来治療センター」をオープン。新たに腫瘍内科医ほか化学療法の専門医師を配置し、化学療法への対応をさらに強化しました。化学療法を受けられる患者さん専用の空間で、ゆったりと過ごしていただけます。


分子標的治療薬(抗HER2療法)

分子標的治療薬は毎年新薬が開発されており、日進月歩の治療方法です。
当院では最新の治療にできる限り対応するよう努めています。

ホルモン療法

ホルモン受容体をもつタイプは、女性ホルモンが増殖に関係しているため、ホルモン受容体を抑制する抗エストロゲン薬や、女性ホルモンそのものを下げるアロマターゼ阻害薬を使用します。
また、常に最新の情報・知識を取り入れ、新しい治療薬にも対応しています。

〒607-8062
京都市山科区音羽珍事町2



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