脊椎骨折
骨粗しょう症に伴う脊椎圧迫骨折
骨が吸収される速さと骨を造る速さのバランスが崩れて骨密度が低下し、骨がもろくなった状態で、体重を支えきれなくなり、脊柱に圧迫骨折が起こるなどして腰痛が起こります。
骨粗しょう症は、閉経後の女性に多い疾患です。(60歳代女性の14%、70歳代女性の45%) 脊柱の後弯変形により背中が丸くなったり、背が低くなったりします。脊柱変形により腹部が圧迫され、胃食道逆流症が生じ、胸焼けのため十分に食事ができないこともあります。
薬物療法で痛みをおさえたり、骨密度の低下を防ぎ、コルセットで脊柱を安定させるなど、まずは保存療法を行います。
骨折部が癒合せずに偽関節となって痛みが続く場合や、神経麻痺(まひ)が生じた場合は、手術を検討します。手術には、つぶれた骨の内部に人工骨などを注入する椎体形成術と、金属製の器具で脊椎を固定する脊椎固定術があります。
脊柱後弯変形
椎体形成術
潰れた骨の中に経皮的にHAブロック人工骨を注入して補強する手術。
ハイドロキシアパタイト製人工骨(HAブロック)
第12胸椎椎体形成術
第2腰椎後方脱臼骨折後偽関節症例
- 昭和63年、仕事中にショベルカーの下敷きになり、救急病院に搬送。第2腰椎後方脱臼骨折、完全対麻痺となりました。数回の手術を受け、車いす生活で自立していました。
- 平成25年4月に、腰痛、両下肢痛が増悪し、車いすでの座位保持が困難となってきました。
第2腰椎が後方に脱臼して偽関節となっており、体を支えられなくなっていました。
※以下の画像はクリックすると拡大されます。
- 平成25年6月、腰椎短縮・脱臼骨折整復固定術
- 第10胸椎-第5腰椎椎弓根スクリュー固定術
- Pyramesh人工椎体による椎体再建
- 自家骨、同種骨移植術
術後腰痛はなくなり、車いす生活ができるようになりました。