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ステントグラフト内挿術(カテーテルによる血管内治療)

2006(平成18)年7月から、腹部大動脈瘤に関しては、厚生労働省により、ゼニスステントグラフトが認可されました。このステントグラフトは、一定の基準を満たした施設のみで使用可能と定められ、認可されている施設はごく少数です。当院は、その認定施設に指定されています。

ゼニスステントグラフトについて

ゼニスステントグラフトゼニスステントグラフトの写真

これは、米国のクック社が製造販売しているステントグラフトで、前述の通り、2006年7月に、厚生労働省に認可されました。海外では約3万人の患者に使用された実績があり、多数の優れた臨床試験成績も得られています。今のところ腹部大動脈瘤にのみ使用可能です。


ステントグラフト内挿術により期待される効果と起こり得る合併症

人工血管の留置に完全に成功すれば、動脈瘤の部分は人工血管で密閉されてしまい、血液は瘤内には流れませんので、動脈瘤の破裂を防止できます。
この治療法に関連して起こり得る症状(合併症)としては、主に以下に列挙したものが考えられます。合併症が生じた場合に備え、被害を最小限にくい止めるための対策は考慮していますが、仮に重篤な合併症が起きた場合には、結果として死亡することもあり得ます。

   

人工血管に関連した合併症

   

1.漏れの残存

 

人工血管の密着不足などにより、人工血管周囲から血液が漏れて、動脈瘤内に血流が残存することがあります。この場合、動脈瘤壁に血圧がかかるため、動脈瘤破裂の危険性が残ります。

   

2.人工血管の閉塞や狭窄

 

人工血管がねじれたり、折れたりした状態で移植されてしまい、その内腔が狭くなったり、つまったりすることがあります。

   

3.人工血管による動脈壁への負荷

 

この方法では、人工血管が動脈瘤の前後の正常血管に固定されるわけですが、その部位に負担がかかることにより、そこが拡大して動脈瘤に漏れが生じることがあり得ます。

   

4.人工血管による側枝の閉塞

 

大動脈から分岐している大切な血管を人工血管でふさいでしまった場合、その血管によって養われている臓器に傷害が起こることがあります。頭につながる大きな血管をふさいでしまった時には脳梗塞が、腎臓への血管の場合は腎不全が引き起こされる可能性があります。脊髄につながる血管をふさいでしまうと、足の麻痺を生じたり、膀胱や直腸の失調を生じることがあります。また下腹部の動脈をふさいでしまうと直腸壊死を生じることがあります。

   

5.人工血管の移動や破壊

 

患者さんの血管に人工血管がうまく固定されず、血流に押し流されて人工血管が移動する場合があります。また、移植された人工血管そのものが将来的に壊れる可能性も否定できません。

 

カテーテル操作および全身に関連した合併症

   

1.動脈瘤の術中破裂

 

患者さんによっては、動脈瘤の壁が非常にもろい場合があり、通常のカテーテル操作によって動脈瘤の壁が傷つき、動脈瘤が破裂するおそれがあります。また、破裂寸前の状態の動脈瘤が手術中に自然に破裂してしまう場合があります。

   

2.塞栓症

 

動脈瘤の壁にはたいてい血栓がついていますし、瘤の部分以外でも、動脈硬化のために動脈の内側に血管のかす(粥腫)がたまっていることがあります。カテーテルの操作中に患者さんの動脈瘤の壁や動脈壁についている血栓などが血流に押し流され、頭や内蔵などの血管をつまらせてしまうことがあります。これにより脳梗塞、腎不全、麻痺、下肢虚血(足の血のめぐりが悪くなること)などが引き起こされる可能性があります。これらの塞栓症は後遺症を残すこともあり、重要な問題となります。

   

3.血管損傷

 

カテーテルを使って人工血管を目的部位まで運搬するため、運搬途中に患者さんの血管を傷つけて大量出血を招くおそれがあります。

   

4.出血

 

足の付け根の動脈を切開して人工血管を血管内に挿入するので、術中の出血は避けられません。通常は大量には出血しませんが、時には輸血が必要になることもあります。

   

5.発熱

 

術後の数日間は発熱することがあります。微熱程度のこともあれば、高熱を出すこともあります。原因は確定されてはいませんが、動脈瘤の内部に人工血管によって隔離された空間ができ、その空間の血液が凝固し、吸収されることが原因ではないかと考えられています。

   

6.分岐血管による動脈瘤への血流補給

 

人工血管の移植に完全に成功しても、動脈瘤破裂の可能性が残ることがあります。通常、動脈の血液は、太い血管から細い血管へと流れて行きます。ところが、人工血管を移植した後、動脈瘤壁から出ている細い血管から動脈瘤内へ、血液が逆流してくる場合があります。多くの場合は、逆流してくる血流は少量で、勢いも弱いため問題ありませんが、血流が多い場合などでは動脈瘤に圧力がかかり、動脈瘤が拡大し、破裂する危険性があります。

洛和会音羽病院

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