エキシマレーザー冠動脈形成術
エキシマレーザー冠動脈形成術とは
カテーテルの先端から照射されるエキシマレーザーによって、閉塞した血管を開通させるという治療方法です。通常のバルーン治療が困難な複雑病変に対して有効性が報告されており、日本では2012(平成24)年5月から保険適用されました。従来の風船などを使用する治療に比べて、安全性が高いと言われています。
対象
- 慢性完全閉塞
- 分岐部病変
- 急性心筋梗塞
- ステント内再狭窄
石灰化の強い病変にはローターブレーターが有効ですが、このエキシマレーザーも同様に有効性が高いとされています。また、急性心筋梗塞などの血栓性病変、あるいはステント再閉塞にも組織を蒸散させるエキシマレーザーは効果があります。このエキシマレーザーを活用することで従来よりも治療の選択肢がより広がり、さらに有効性が高く、安全な医療が提供できると考えています。
症例(85歳、男性)
急性心筋梗塞と十二指腸潰瘍穿孔を同時に発症し、先に緊急冠動脈造影を施行
- 右冠動脈近位部に血栓性病変を確認
- エキシマレーザーで血栓を蒸散
- 長時間のバルーン拡張で残存血栓を血管壁に十分に押し付け
- 血流の改善を確認
開腹術前のためステントは留置せず終了
同日に緊急大網充填術を合併症なく施行