2024年3月:押印廃止 第2弾!学校における事務手続きの効率化
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押印廃止 第2弾!学校における事務手続きの効率化
問題点
厚生学校(看護学科・助産学科)において事務手続きで使用する書類は、複数の役職者の押印が必要であった。そのため書類が提出されてから承認されるまでの業務工程に時間を要していた。
改善策
- 事務手続きの書類リストを作成
従来から押印手続きを行っている107の書類について目的や提出先を明確にしてリスト化した。
-
押印の見直し
どうしても残さなければならない押印(行政関係の提出等)を除き、すべての書類の押印が必要か見直しを行い42の書類に対して下記3つの視点で押印の廃止を検討した。
- ● 押印をすべて無くす
- ● 一部の押印をなくす
- ● 押印からチェック✔方式に変更する
- 承認ルートの見直し
押印の必要性を見直すにあたって、責任の所在を再考し担当者を明確にし、必要最低限の手続きとした。(資料PDF:パンフレット[2.4MB])
成 果
- 学校内で使用している42の書類のうち、22の書類(52%)について押印を廃止できた。
- 押印廃止によって押印業務が大きく減少した(申請書類1枚につき約1分の時間短縮)
- 不要な手続きおよび承認者の見直しができ、事務手続きの業務工程が整理できた。
2024年2月:理学療法士が根拠に基づいた“運動に適した靴”を提案
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理学療法士が根拠に基づいた“運動に適した靴”を提案
問題点
回復期病棟の入院患者さんは急性期病院から転院してこられるケースが多く、救急搬送時の靴を継続使用される患者さんが多い。しかしその靴のほとんどが運動に適していない、転倒リスクが高いものであったため、患者さんに「運動に適した安全な靴」を提案する工夫が必要であった。
改善策
- 靴選定の根拠となる知識を深める
理学療法士と義肢装具士による勉強会を行い、靴を選定する上で根拠となる解剖学とバイオメカニクスについて理解を深めた。
- 理学療法士による選定基準の策定
理学療法士の知識と臨床経験に基づき、運動に適した安全な靴の選定基準を策定した。
- 選定基準をクリアした靴の厳選
福祉用具業者と連携し、商品化されたリハビリ靴から選定基準をクリアする靴を5種類厳選した。
- 運動に適した安全な靴の提案
理学療法士の選定基準と、提案するリハビリ靴それぞれの特徴を紹介したパンフレットを作成し、入院患者さんに配布した。(資料PDF:パンフレット[2.4MB])
成 果
- 入院リハビリの安全性が高まった。
- 理学療法士として、運動に適した安全な靴の根拠が整理できた。
- 他職員間で議論する機会や、リハビリ導入時の環境のひとつとして重要なアセスメントであることが共有でき、リハビリ靴に対する意識がより一層高まった。
2024年1月:わかりやすく親しみやすい避難経路の工夫
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わかりやすく親しみやすい避難経路の工夫
問題点
資材センターは洛和会内の医療物資配給を担っており、医療提供に必要不可欠な部門であるため日頃から災害発生時を想定しておく必要があり、すでに防災マニュアル策定や避難訓練は実施されている。しかし、資材センターの建物の構造・配置は多様で複雑であり(出口がいくつもあり、建物も複数に分かれている)迅速に安全な場所へ避難するためのさらなる工夫が必要であった。
改善策
- 避難経路の検証
倉庫と事務所ビルにおいて、災害時に1ヵ所の避難経路に大人数が集中しないよう各地点からの最適な避難経路を確認した。
- 避難経路目印のデザイン作成と配置
避難経路を示すための目印をオリジナルデザインし、日頃から目につきやすい場所・目線の高さに合わせて多くの避難経路目印を掲示した。親しみのある洛和会公式キャラクター「らくの助」を用い、明示的で誰でも理解しやすいデザインに工夫した。(資料:避難経路の目印の写真)
- 周知活動
職員や外部からの来訪者に対してこの取り組みの目的と活動を周知した。
- 定期的な見直しと点検
定期的に、避難経路および目印の掲示場所が適切か見直しを行う。また目印の劣化や破損に備えて適宜、点検を行う。
成 果
- 避難経路の目印が常に見える26ヵ所に表示できた。
- 多くの職員が日常的に防災を意識できるようになった。
- 来訪者との話題づくりになり「よく知らない建物や初めて訪れた場所でも、避難経路がひと目でわかる」と好評である。
2023年11月:事務用品の定数管理体制の構築
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事務用品の定数管理体制の構築
問題点
使われずに残っていた事務用品(ボールペン、ファイル、付箋など)が、事務所内倉庫の保管スペースを圧迫していた。さらに各物品の補充については、長年にわたり発注担当者の裁量で在庫管理していたため過剰在庫に繋がっていた。
改善策
- 不要品回収Boxの設置
事務用品棚に保管されている事務用品と個人が所有している事務用品の中から使用していない物品を回収した。(資料:写真)
- 断捨離
回収した物品は部署内で利活用せず、他部署に配布し利活用を促進した。
- 各事務用品の適正な流通量の把握
事務用品をリスト化し、適正な定数を設定した。(資料PDF:総務物品定数管理表)
- 発注担当者の役割を明確化
定数管理表に基づき、随時、過不足を確認し事務用品の管理を行う。
成 果
- 不要な事務用品を洗い出し(断捨離)、抱えていた過剰在庫が整理された。
- 適正な在庫量を算出し、定数化することができた。
- 定数管理ができるようになり、効率的に適正な発注業務が行えるようになった。
2023年9月:助産学科の学生が主体的に技術練習に取り組める実習室環境の工夫
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助産学科の学生が主体的に技術練習に取り組める実習室環境の工夫
問題点
技術練習に使用する物品の準備や片付けを学生自身で行っていたため、実際に技術練習にあてられる時間が十分に確保できていなかった。さらに使用するにあたり、主体性を育むためのルールがなかった。
改善策
- 実習室にあらかじめ使用する物品を配置する。(資料:写真)
- 破損や紛失に早期対応できるよう「物品貸出簿」「破損物品確認表」を用いて、学生(演習委員の管理担当者)に物品管理を任せる。
- 「実習室使用計画書」を用いて予約制での運用を行い、予約管理は教員が介入せず学生に任せる。
成 果
- 月平均11.5時間/人の技術練習に取り組めた。(最大値19.5時間/人、最小値5時間/人)
- 物品管理や予約管理を学生に任せたことで、技術練習に対する学生の主体性が引き出せた。
2023年9月:病棟と透析センターにおける申し送りのIT化
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病棟と透析センターにおける申し送りのIT化
問題点
透析センターから病棟への申し送りは担当者同士が口頭で行っていたが、透析終了後の病棟帰室時に間に合わず、タイムリーに透析中の状態がわからないケースが発生していた。
また申し送り内容を記録用紙へ手書きで記入する手間がかかっていた。
改善策
- 透析業務用通信システム「Future Net Web+」(以下、FN)を、申し送り専用に使用方法を変更。
- 透析センター看護師、病棟看護師に操作方法の説明を行い、使用方法を周知。
- 透析室にて申し送り事項を入力し、病棟でFNで申し送り内容を確認できるようにする。
成 果
- 透析患者の情報を必要な時にいつでも確認できるようになった。
- 記録用紙へ手書き記入する手間がなくなった。
2023年7月:当直明けの職員が帰りやすい職場風土の醸成
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当直明けの職員が帰りやすい職場風土の醸成
問題点
職員から当直明けでの残業を減らしたいという意見があがった。
残業が発生する原因として、担当業務や緊急の依頼が入ると対応せざるを得ない、当直明けの職員が誰なのかがわかりにくい、人が少ない日は仕事を残して帰りづらい雰囲気がある、といった意見が聞き取り調査から明らかになった。
改善策
- 職員の予定表に「当直明け」のマグネットを貼付け、当直明けの職員を可視化した。
- 残業が発生する業務は、上長が日勤者へ割り振りする。
- TQM委員会メンバーから率先して「〇〇さん、当直明けなので帰ってください。お疲れ様でした!」という声掛けを行い、帰りやすい雰囲気づくりを行った。
成 果
- 帰りやすい雰囲気づくりと声掛けによって、気を遣わずに退勤できるようになった。
- 勤務時間内で作業を終えられるよう時間管理を意識するようになり、残業が減った。
- 上司の声掛け・コミュニケーションが増加した。
- 退勤だけでなく、休憩時間の声掛けも発生するようになった。
2023年6月:資材センター基本業務手順書の策定
テーマ
資材センター基本業務手順書の策定
問題点
新採用者のオリエンテーションのやり方として、先輩職員と一緒に行動し教えていくという形をとっていた。
これは先輩職員の時間をとり負担が大きく、新人職員が振り返りをする手段として口頭で先輩職員に聞いていた。そのため新採用者が単独でも業務ができ、行動の確認がとれるよう手順書の必要性があがった。
改善策
-
新人が担当する基本業務について手順書を作成。(資料:倉庫棚卸作業の手順書PDF)
・出庫作業
・土曜出勤業務
・検品作業
・発注作業
・入庫作業
・倉庫棚卸作業
・薬品荷受作業
・薬品収納作業
・搬送作業(丸太町病院、音羽病院、音羽記念病院、音羽リハビリテーション病院、東寺南病院)
-
「新人でもこの手順書を見れば単独で作業が行える」ことを意識して作成。
・経時的に行動のみ箇条書きし、作業方法や注意点の解説を含めない。
・手順書に記載する内容は複雑化しない。
・略語や定義が曖昧な言葉は使用せず、新人でも理解できる内容にする。
-
閲覧・活用の利便性を考慮し、ファイリングせずに1枚単位で使用する。
成 果
- 内容がシンプルなのでわかりやすく、新人の作業手順の理解が早まった。
- 作業終了後の振り返りに役立った。
- 同じ質問が繰り返されることがなくなった。
- 業務の見直しをするキッカケになった。
- 作業ルールが統一化できた。
2023年5月:配茶の廃止
洛和会丸太町病院
洛和会音羽リハビリテーション病院
洛和会東寺南病院
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配茶の廃止
問題点
長年にわたり毎食ごとの配茶業務は看護業務として手をかけてきたが、現在ではモーニングケアや他の必要な患者ケアにも影響していた。
また、温かいお茶を提供したいため高めの温度で作ることから、火傷などの事故も発生していた。
全国的には、異物混入のリスクも報告されていること、さらに、コロナ禍では感染拡大のリスクが表出し、廃止の検討が急務であった。
改善策
-
配茶に関するリスク、コストや時間の再確認
・感染リスク (多くの患者に同時に行う感染拡大)。
・安全管理リスク (薬や遺物の混入による集団被害、お茶が熱すぎた場合の火傷)。
・配茶に要する時間が他の業務を圧迫。
-
配茶サービスの廃止に伴い、代替え案の検討
・お茶は原則、患者各自で準備 → 自動販売機(お茶・水のラインナップ増)。
・売店の利用、家族からの提供など。
・入院セットにペットボトル飲料(お茶か水)を組み込む→業者と連携。
・上水道の管理→水質調査、管理、浄水器などの設置。
-
患者・家族への説明、周知
・これまで行っていたことを止めることへの苦情・不満のQ&A作成。
・入院に関する説明書などに配茶サービスの廃止を記載し説明、病院掲示板へ掲示。
-
個別事情(病状などにより移動困難)
・入院セットの利用、ペットボトル飲料(有料)の購入介助。
・個別の看護ケアで対処。
-
病院職員への周知と協力
・幹部会議、医局会、師長会議にて意思統一。
・TQM委員会メンバーにて他部署、現場職員への周知。
成 果
- 配茶に要した時間が削減され、食事時間帯のケアが拡大した。
- 配茶業務に係る事故の懸念がなくなった。
- 配茶に関するコスト減となった。
- 多職種が入院セットの見直しに関わり、入院に必要なものが充足された。
- 配茶業務の廃止により看護業務の見直しにつながった。
2023年3月:当院がめざす接遇改善基本行動8つの心得~セルフチェックシートの効果~
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当院がめざす接遇改善基本行動8つの心得~セルフチェックシートの効果~
問題点
過去2年間の患者アンケートの中に少人数ではあるが連続して、挨拶、言葉遣い、態度について指摘があった。
当院では職員間のコミュニケーションや連携をスムーズにしたい、もっと笑顔の多い病院にしたいという意見が高まっていたところであり、まずは職員同士が気持ちのよい交流ができるための対策に取り組むことにした。
改善策
- 一般論ではなく当院の気風として根付いてほしい基本とする接遇行動を意見交換。
- 職員が取り組みやすい行動(容易性・効果性・実効性)に着目し、8項目に絞り込み、「接遇改善基本行動セルフチェックシート」を作成。
- TQM委員会メンバーが各部署に訪問し、接遇改善の主旨を説明。
-
接遇改善基本行動セルフチェックシートを全職員に配布し、セルフチェックを実施。
・単なる評価表ではなく、セルフチェックシートを携帯することで改善すべき行動の意識化・行動変容を図る 2回(8月と12月)実施。
- 職員食堂デジタルサイネージに掲示し、周知。
- 全員研修会(イントラ)での接遇研修の資料として用いて学習。
※【資料】「接遇改善基本行動セルフチェックシート」(PDF[2.58MB])
※【資料】「セルフチェックの結果」(PDF[167KB])
成 果
- 職員の接遇についての意識が向上している。
-
接遇改善行動8項目すべてにおいて点数があがった。
・若手は微増であるが、中堅・ベテランにおいて大幅に向上。
・セルフチェックと学習を重ねることで、意識が改善しやすいことがわかった。
- 職員同士の挨拶が増えた。
- 患者に対する挨拶や言葉遣いの改善にもつながっている。
- 接遇改善基本行動セルフチェックを定期的に実施、学習の機会を図ることで、よりよい接遇を継続できる見通しが立った。
2023年3月:PNSにおける内服与薬時のシングルチェックへの取り組み
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PNSにおける内服与薬時のシングルチェックへの取り組み
問題点
看護提供方式としてPNSを運用している病棟の内服投与の際、2人連続型のダブルチェックを行っているが、時間を費やしている。
また、内服インシデントの件数が減らないことから、改めてダブルチェックの必要性とシングルチェックへの変更を検討した。
改善策
- 全病棟に内服投与時のダブルチェックに関するアンケートの実施。
- ダフルチェックに係る時間とインシデント件数の把握。
- PNSにおけるシングルチェックの方法を検討。(主任会、看護師長会、TQM委員会において再々ディスカッション)
- 6Rのタイミングを熟考し、PNSにおけるシングルチェックのフローを作成。
- 試行病棟にて開始し、シングルチェックのフローを修正、日勤帯にて運用。
※【資料】「内服薬チェック見直しに伴うフロー比較」(PDF[205KB])
成 果
- ダブルチェックに要していた時間からシングルチェックに要する時間は短縮した。
- ダブルチェックの際に行っていた前残業がなくなった。
- 内服インシデントが減少した。
2023年2月:業務依頼のペーパーレス化および依頼方法一本化
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業務依頼のペーパーレス化および依頼方法一本化
問題点
アローフィールドは洛和会ヘルスケアシステムの広報部門として、法人内全ての部署から取材、媒体の作成や送付、Webページの更新や動画作成、内容確認などの依頼を業務依頼書によって引き受ける。
そのため各部署からの依頼書や付随する資料が膨大な量となり保管に苦慮している。また依頼方法が一本化されていないが故に、FAX送付などによる依頼を受け付けた後の社内便による原本送付で依頼が重複し、
本来必要の無い確認作業や資材センターによる配送作業が生じる問題を抱えていた。
改善策
- 依頼書の書式を見直し、PDFフォームへ入力する方式とする。
所属長承認印はチェックボックスにチェックを入れるように改めたことで押印も廃止。
- 依頼書の送付は、FAXと社内便を廃止し、メールに一本化する。依頼元の所属長にもCCを宛てることで承認の証明とする。
- 上記2点をイントラ回覧板で周知し、新書式、新方式での運用を開始。
成 果
- ペーパーレス化が進み、ファイリング作業の削減につながった。
- 依頼書の送付をメールに一本化できた。
- 社内便での依頼を廃止することで、担当部署の配送作業が削減された。
- 押印の廃止により、作業の軽減された。
2023年1月:リハビリテーション部で働く職員の昼休憩確保への取り組み
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リハビリテーション部で働く職員の昼休憩確保への取り組み
問題点
リハビリテーション部では74人の理学療法士と22人の作業療法士12人と7人の言語聴覚士、クラーク等がチームで、入院・外来患者のリハビリに専念しているが、各種会議やチームカンファレンスやケーススタディーが昼休みに開催されており、退院支援の相談や家族面談の打ち合わせ等も昼休憩の時間帯に恒常的に入っていた。
改善策
- 各種会議とチームカンファレンスの実体(時間と回数/月)を調査。
- リハビリ提供量を精査して、その人に必要な提供量を提供。
- カルテ記載等の間接業務の時間を精査。
- 一週間の業務時間と昼休憩の枠組みを作成し、会議とカンファレンス、間接業務を時間内で行えるように組み込み。
- 昼休憩枠には基本的には業務は入れないことを職場内で周知。
成 果
- 昼休憩が1時間確保できるようになった。
- 質を担保していくために、セラピストがその人にあったリハビリ提供量について考えられるようになった。
- 間接業務の整理もでき、カルテ記載等が時間内に実施できるようになった。
- 今後は、昼休憩の枠を固定せず、各自のスケジュールに応じてとれるように工夫していく道筋ができた。
2022年12月:患者感染症情報の可視化の工夫 ―少しの工夫で感染対策!―
テーマ
患者感染症情報の可視化の工夫 ―少しの工夫で感染対策!―
問題点
COVID-19や、それ以外の感染症に罹患している患者の情報が病棟で周知されるまでに遅れがあり、対応前に感染症の有無を確認する必要があった。職員、患者の安全のために、対策が必要だと考えた。
改善策
- 感染週報の周知方法見直し。
- 電子カルテの病棟マップに感染情報の更新を徹底。
- ベッド周りの間仕切りカーテンにラミネート加工したカードを設置し、視覚的に認識できるようにする。
- 検査室から情報が入り次第、病棟の管理者がマップ更新とラミネート設置を行うルールとした。
※資料PDF[113KB]
※資料PDF[617KB]
成 果
- スタッフが感染週報や病棟の最新情報を確認できるようになった。
- 感染患者がわかりやすくなり、安静度間違いが減った。
- 間仕切りカーテンにラミネートカードが設置されることで、感染対策を事前に取ることができるようになった。
- 口頭での申し送りのエラーがカバーできるようになった。
2022年11月:保護者への「おたより」の質向上をめざした取り組み ~文章の質を見直す~
テーマ
保護者への「おたより」の質向上をめざした取り組み ~文章の質を見直す~
問題点
各施設の「おたより」(園だより、クラスだより、児童館だより)において誤字・脱字や文章構成の間違いによって、確認・校正作業の時間が多くなっていた。また、保護者へのおたよりであることから、その内容が正しく、安心感が伝わるおたよりにしたいと考えた。
改善策
- 現状把握(園だより15枚/月、クラスだより22枚/月、児童館だより36枚/月)所属長が訂正を書き入れた「おたより」を回収。
- 間違いの多い漢字、送り仮名などを集計し、一覧表を作成。
- 作成した一覧表を基にして、「おたより」を作成時に参考となる資料を作成。
- この資料を「おたより向上通信」として編集し、「おたより」作成時に発信した。
※資料PDF[131KB]
成 果
- 現状把握を開始した段階より、各施設の「おたより」への意識が高まった。
- 「おたより」を作成する際の基本的な文章構成の改善の視点を整理できた。
- 「おたより向上通信」により、各保育士の「おたより」作成時の注意力、誤字・脱字をなくす意識が高まり、減少した。さらに日付・曜日、改行意識、イラストの正確さにもつながっている。
- 書き手がよいものを作りたいという意識が高まった。
2022年10月:省エネ・節電への取り組み ―節電チェックシートや啓発資料を用いて―
テーマ
省エネ・節電への取り組み ―節電チェックシートや啓発資料を用いて―
問題点
院内各所で電気の消し忘れや、エアコンのつけっぱなしなどの電力消費、また、一般商用電源と非常用電源(無停電非常電源、一般非常電源などの医用コンセント)の使い分けを知らない職員が散見された。全国で電気料金の高騰、天候不順による災害がクローズアップされる中、委員会メンバーも含めた職員の電気利用に関するリテラシーを高め、電気を正しく利用することが大切であると考えた。
改善策
- 掲示物や院内のデジタルサイネージを活用し、節電活動を啓発する
- 節電チェックシートを作成し、実態把握と日常活動における節電の意識付けを行う
※資料PDF[856KB]
- 一般商用電源、非常用電源のコンセントの色分けなどについて記した資料を作成、職員回覧を実施し、災害時に備えた知識を身に着ける
※資料PDF[723KB]
成 果
- 意識付けにより、利用されていない部屋の消灯が徹底されるなど、電力消費を抑えることができた
- 電源に対する正しい知識を得て、適切な電源に機器を接続できるようになった
- チェックシート、資料の作成によって、知識の標準化が成された
2022年9月:研修報告書のペーパーレス化 ~すべての工程をメールにて提出・確認、押印がなくなる!!~
テーマ
研修報告書のペーパーレス化 ~すべての工程をメールにて提出・確認、押印がなくなる!!~
問題点
1カ月あたり約180~240件の研修報告書は、各々の受講者の施設長・管理者が確認・コメント記載し、各サービスの統括・統括長にまわり確認・押印。その後洛和会介護教育センターに届く。介護教育センターでは研修報告書の受講者名や施設長・管理者の捺印が抜けていないか確認・押印したものをスキャン(PDF)して保管する。その後原本は各事業所にメール便で運搬し、受講者に返却される。この作業における確認、押印、スキャンに要する時間と手間、メール便による搬送にはかなりの時間と労力がかっていた。
改善策
- 研修報告書は原則ワードにて、イントラの介護事業部の文書管理からフォーマットを用いで入力し、webメールにて提出する
- 確認の印鑑をなくす
- 介護教育センターは、内容確認後、電子サインしたものをメールで返却する
- 研修報告書は電子データとして保管する ※別途フロー図参照
成 果
- 印鑑による押印作業に費やした時間がなくなる。
- 多量の報告書をメール便で送る作業時間がなくなる。
- 研修報告書の提出工程に係る全体の時間が短縮される。
- 保管が電子データになり、場所も取らず、保管環境の改善につながる。また、検索等の作業が容易になる。
2022年8月:共有フォルダの運用ルール策定による検索性の向上
テーマ
共有フォルダの運用ルール策定による検索性の向上
問題点
院内の共有フォルダ内へ無秩序なデータ保存や異動者など利用者不在のデータが放置されることでファイル数が増加し、必要なデータの検索に時間がかかる。
改善策
- 運用ルールの設定
- ◆階層分け
-
大分類・中分類・小分類に分け、ルールに則り名称付ける
例:[01_委員会]/[01_〇〇委員会][02_△△委員会]…/[220801_議事録]
- ◆個人情報を含む重要データは保存しない
- ※例外時にはパスワードをつけ、セキュリティに気をつける
- ◆フォルダ作成は階層ごとの権限範囲内で行う(無用なファイルを作らない)
-
既存データをルールに従い分別
整理されないデータは不要データとして期限経過後に削除
成 果
2022年7月:教育のIT化 テジタル看護教科書の導入による学習効果の促進
テーマ
教育のIT化 テジタル看護教科書の導入による学習効果の促進
問題点
紙の教科書では、人体の構造などわかりにくい内容があったり、教員の追加資料の検索作業、プリント・DVDの準備といった負担があったりした。デジタルネイティブ世代に有効な教材が必要と考えた。これまでの教科書は紙媒体で重く学校に置いて帰る学生が多く、自宅学習に活用していない。
改善策
- デジタル教科書を導入した学校の評価を調査
- 費用対効果の検討
- 2022年4月導入に向けて、教員への周知、使い方の研修
成 果
- カラー、動画、音声の効果により、学習が促進されている(図書館機能、文献検索機能、マーカー・メモ機能)
- 教員の授業前の準備時間が減った
- 学生たちの自己学習の機会が増えた
- タブレットを持ち帰り、自宅学習に活用できる
- 今後はオンライン授業がスムーズに行える
2022年6月:電子カルテのメッセージ機能(くじらメール)活用による退院時業務の改善
テーマ
電子カルテのメッセージ機能(くじらメール)活用による退院時業務の改善
問題点
患者退院時に電話による情報共有や重複する作業を多職種、各部署で行うなど、ムダが多い。
改善策
- 退院時フローチャートを作成
- 情報共有に電子カルテのメッセージ機能(くじらメール)を利用し、情報を一括送信
成 果
- 各部署の退院時業務が可視化され、整理された。
- 退院情報をいち早く伝達できるようになり、これまで情報が伝わりにくかった部署へも情報が届くようになり、共有が強化された
2022年5月:経管栄養におけるシングルユースの導入
テーマ
経管栄養におけるシングルユースの導入
問題点
経管栄養における栄養ボトルへの流動食入れ替えや、洗浄・消毒作業は1日3回行われ、手間がかかっている。それによって患者ケア時間や休憩時間を圧迫している。
改善策
- 経管栄養にかかる作業時間を調査
- シングルユースの経管栄養剤を採用するための費用対効果を算出
- 1病棟でトライアルを行い、作業時間への影響を評価
成 果
- コスト(月9万円)はかかったが作業負荷軽減に成功。
- 洗浄用の備品が不要、材料のパッケージも小さくなり省スペース化。
- 作業工程の削減により、感染リスクが減少。
- 患者に寄り添う時間が増加した。
2022年4月:フレックスタイム『 12+4 』・・の巧みな導入
テーマ
フレックスタイム『 12+4 』・・の巧みな導入
問題点
管理課のレセプト業務における残業時間が多い。
改善策
下記のような多様な勤務時間の組み合わせにより、残業時間の縮減を図る。
- 1.5日(12時間)+0.5日(4時間) =2日(16時間)勤務扱い
- 1.5日(12時間)+1.5日(12時間)=3日(24時間)勤務扱い
- 0.5日(4時間) +0.5日(4時間) =1日(8時間) 公休扱い
- 遅出勤務(勤務時間 9:30~18:15)
成 果
- 5病院の残業時間が縮減の傾向にある。
- 外来診察延長等の対応が勤務時間内(遅出勤務)にて可能となりモチベーンョンの向上に繋がった。
- 1.5日勤務導入後、0.5日勤務となりワークライフバランスの向上に繋がった。
- 遅出勤務日は満員電車を避ける事ができ、コロナ感染リスクに対する気持ちに余裕が出来た。
- 遅出勤務により長時間の拘束が短縮されメンタル的な安定に繋がった。
2022年3月:電子カルテ停止時専用の「アクションカード」の作成
テーマ
電子カルテ停止時専用の「アクションカード」の作成
問題点
実体験から要因分析を行い、緊急時に実用性の高いアクションカードを作成した。
改善策
下記のような多様な勤務時間の組み合わせにより、残業時間の縮減を図る。
- 電子カルテシステムに関係する部署の各職員用にアクションカードを作成。Ex) 看護師(病棟・外来)、管理課(受付・会計・院内放送)、薬剤部(病棟・調 剤)、当直者など
- メッセンジャー等、他部署への応援要員についてもアクションカードを作成。
- 0.5日(4時間) +0.5日(4時間) =1日(8時間) 公休扱い
- アクションカードの内容は、時間軸を中心として優先順に番号を付け、様式を統一した。(資料)
成 果
- トラブル発生時の現場スタッフの行動の指標ができた。
- 電子カルテ停止時に起こり得ることを認識することができ、防災意識の向上と不安軽減につながった。
2022年3月:利用者の持参品の必要度と管理リスク分類図を用いた返却ミス防止対策
テーマ
利用者の持参品の必要度と管理リスク分類図を用いた返却ミス防止対策
問題点
利用者の持参品の返却ミスが続いている。返却に対する責任意識が少なく、持参品の管理方法もばらばらであり、返却ルールもない。
改善策
- 持参品の必要度と管理リスクを分類する。(資料)
- 分類図に基づき、持参品は必要度も管理リスクも高い、A群と衣類のみとし、 B群は持参しない。C群のタオルや歯ブラシ等の品物は施設側が代替品の提供を行う。
- 持参した品はまとめて大袋に入れ、管理する。
成 果
- 事実(持参品と管理リスク)と課題を関係者と正確に共有することができた。
- 持参品の管理方法の定義を決め、管理の認識を改めた。
- 利用者への説明より持参品の総量は減少した。
- 職員の持参品への責任意識が高まり、返却ミスが減った。
2022年3月:より多くのヒヤリハットが見える化するためのヒヤリハット報告の改善
テーマ
より多くのヒヤリハットが見える化するためのヒヤリハット報告の改善
問題点
資材センターでは軽微なミスも大きな事故もすべてインシデント報告書を用いているため、重大な案件に関わるイメージがあり、責任をとらされるという誤解もある。資材センターではインシデントよりヒヤリハットの案件が多いと想定されるが、積極的な報告が少ない。
改善策
- ヒヤリハットは、インシデント報告書を用いない。
-
ヒヤリハット報告のフォーマットを新規作成する。(資料)
- エクセルで作成し、分類をプルダウンで選択、入力文字数も減らした。
- ヒヤリハットの数・内容の集計ができるよう工夫した。
- ヒヤリハットにどのように対処したか、改善策まで入力する。
- ヒヤリハット報告書はパソコンの共有ホルダー内に保管し、全員が共有できるようにした。
成 果
- エクセルの利点を活用したことで報告の入力が簡便になり、入力時間が減り、ヒヤリハットに対する気持ちも楽になった。
- どのようなヒヤリハットが起きているか、わかりやすくなった。
- 利用者への説明より持参品の総量は減少した。
- ヒヤリハット報告の件数が増えた。
- ヒヤリハットの内容を共有化できるようになり、同じミスが少なくなった。
2022年2月:広報業務における専門性をのばすための育成プラン
テーマ
広報業務における専門性をのばすための育成プラン
問題点
広報の業務は専門的な知識や技術が求められるが、継続して専門性を高める教育計画や教育フローがないため、教える時間や覚える時間を要し、各自のやりがいに通じていないため中途退職につながっている。
改善策
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広報業務スキルの習得度チェックリストの策定(資料1)
- 広報業務に必要なスキルを洗い出し、スキル達成度を3段階でチェック
- スキルアップのための教材として、ビジネスマナー本を活用
- 年3回(3ヶ月、6ヵ月、1年後)に評価を行う
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広報部振り返り会の開催
- イントラアンケートを利用して職員から意見、評価をもらう
成 果
- 振り返り会により他者からの意見や評価をもらうことで、互いの業務への理解が深まった。
- チェックリストにより広報業務の可視化につながった。
- 広報人として習得すべきスキルと達成時期が明確になった。
- スキルアップが着実にできている。
2022年2月:IT化を活用した社会保険等手続き案内シートの新規作成
テーマ
IT化を活用した社会保険等手続き案内シートの新規作成
問題点
ワイズファイナンスへの各種届出、社会保険や税の扶養への追加等の問い合わせは人事給与担当者が電話にて回答しているが、手続きが煩雑であり電話での説明だけでは不十分となることも多い。
改善策
ワイズファイナンスを経由して行われる申請・問い合せの多い項目を分類し、Excelシートを活用した案内シートをイントラネット上にアップロードした。
- Excelシートの1枚目に申請項目を分類して目次としてまとめた。(資料1)
- Excelシートの2枚目以降に申請項目ごとの手続きに必要な書類の説明と様式を参照できるようにした。(資料2)
- 案内シートはフローチャート形式とし、誰でもわかりやすいようにした。
- Excelの案内シートから必要書類を印刷できるようにした。
成 果
- ワイズファイナンス人事給与担当者にとって、問い合わせを受けた際に手続き案内シートに沿って漏れなく説明を行うことができるようになった。
- 職員にとって、手続き案内シートを参照いただくことにより自身で申請書類を準備頂けるようになった。
2022年1月:子どもたちと取り組むSDGs「洛和式幼老ケア」子どもと高齢者との交流の促進「多世代(幼+小+親+地域)」をつないだ交流の工夫
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子どもたちと取り組むSDGs「洛和式幼老ケア」子どもと高齢者との交流の促進「多世代(幼+小+親+地域)」をつないだ交流の工夫
問題点
子どもと高齢者、多世代の交流の機会が減っていた。
改善策
- 幼老交流として、保育園の子どもたちが体操しているオリジナル動画を作成し、介護事業部と連携し介護施設の体操の時間に活用した。
-
多世代交流として、病院と介護施設を併せ持つ法人の強みや地域とのつながりを活かし、講演と実演・実技を組み合わせた。
- 音楽療法士を講師として、実際に子どもたち自身が種々の楽器を使う。
- コロナ感染症対策としてWEB参加型での実施方法を企画した。
- ベビーマッサージの資格をもつ助産師による親への実技演習。
成 果
- 日常的に高齢者の笑顔が増え、特にグループホームの高齢者で笑うことがなかった方に笑顔がみられた。
- 子どもたちの保護者から、保育を通して高齢者と交流する取り組みは魅力的であると高評価を得られ、保育園のアピールポイントとなった。
- 楽器に触れることで子どもたちの感性が豊かになり、子どもから大人までの参加者が世代を超えて交流することができた。
- 実技を一緒に行うことで、より実用性の高い講習となった。
2022年1月:職員満足度アンケート調査を実施することの効果
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職員満足度アンケート調査を実施することの効果
問題点
満足度に関わる課題や業務改善の提案を募る機会がなかった。
改善策
- アンケートで「現在の満足度」と「満足度向上に関わる因子」について、職員の意見を募集。
- アンケート調査対象は医師も含めた洛和会丸太町病院の全職員から広く意見を募った。
- アンケート用紙は記入が容易な形式とし、無記名での回答可、投函方法もプライバシーに配慮し回収ボックスを設置した。
- イントラのアンケート機能をあえて使用せず、ペーパーで回収した。(イントラを見る機会の少ない職員もいるため)
- 集計結果を職員食堂の電子掲示板で公開した。
成 果
- 満足度の平均値は69.5点(±16点)であった。
- 職員が自分自身の意見を言える機会ができた。
- 他職種の満足度に関する意見を共有化することができた。
- 個人の希望ではなく集団の意見としてアンケート結果を提示することができた。
- 各自のニーズから病院全体で取り組む課題がみつかった。
2021年12月:多職種・多部門が共同利用している3つの倉庫の有効活用/洛和会音羽記念病院
テーマ
多職種・多部門が共同利用している3つの倉庫の有効活用
問題点
保管物品の管理ができていないため物品の過剰発注/欠品があり、また所有者が不明の物品や不要品が保管スペースを圧迫していた。
改善策
- 所有者不明物品と不要品を洗い出し、断捨離を行った。
- 各部署の倉庫区画整備を行った。
- 総合倉庫として購買部門的な必要備品の一括管理を行った。
- 物品管理台帳で部署名・物品名・搬入日・保管期限の管理を行った。
成 果
- 過不足なく物品を保管することで、物品管理を適正化することができた。
2021年12月:フロー図を活用した退院時業務のタスクシェアリング
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フロー図を活用した退院時業務のタスクシェアリング
問題点
退院時には多職種・多部門が関与する業務があるが、看護師やMSWに業務が偏るなど業務量のバラつきや重複した内容があった。お互いの業務について情報共有されておらず、混乱が生じていた。
改善策
退院決定からの業務のプロセスをいつ・誰が・どんな業務を行っているのか洗い出し、部署ごとの業務を時系列で整理し「見える化」(業務フロー図を作成)した。
成 果
退院時のプロセスを視覚的に把握できたことによって無駄な業務を削減し、業務量のバラつきを是正することに繋がった。他部署との連携がスムーズに行えるようになった。
2021年12月:職員個別スケジュールの一元管理
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職員個別スケジュールの一元管理
問題点
ホワイトボードや掲示物で職員のスケジュールを共有していたが、スケジュール管理ツールが統一されておらず把握が困難であった。
改善策
グループセッションの「スケジュール機能」を活用した。
- 上席も課員もこの機能を使用するよう周知徹底した。
- 統一したスケジュール(時間・場所・内容・相手)を箇条書きで入力することをルール化した。
- グループセッション「スケジュール」内の機能を活用し、案件に関係する職員を選択して同一のスケジュールを反映させるようにした。
成 果
職員のスケジュール、部署全体のイベントが把握できるようになった。
- 上席のスケジュールも共有できるようになり、報告・連絡・相談の時間を取りやすくなった。
- 事故や問題が発生した際の「いつ、誰が、どこで」の追跡が容易になった。
- 業務効率の向上と時間の有効活用に繋がっている。