洛和会音羽病院
京都口腔健康センター
副部長
杉 典子(すぎ のりこ)
- Q(しつもん)
- 親の虫歯が子どもにうつるって本当?
- A(こたえは…)
-
これはウソです
虫歯自体はうつりません。しかし、虫歯菌や歯周病菌はうつります。虫歯菌とは、虫歯の原因になるものです。つまり、虫歯の原因になる菌が親から子どもにうつってしまうということになります。しかし、歯は虫歯菌がうつったからといって必ずしも虫歯になるわけではありません。
歯は虫歯菌といろいろな要素が合わさって、はじめて虫歯になります。生まれたばかりの赤ちゃんには虫歯菌はいません。3歳くらいまでの間は特に虫歯菌がうつる確率が高いとされています。虫歯菌がうつれば、子どもの歯の虫歯になるリスクが上がります。“子どもの虫歯の原因”
虫歯菌が、口から入ってきた糖分を取り込んで酸を作ります。この酸で歯が溶けていくのが虫歯です。しかし、虫歯菌にやられっぱなしではありません。口の中の唾液が、虫歯になる酸を中和して歯を修復しています。
酸にやられる量よりも唾液による修復が勝っていると虫歯にはなりません。虫歯菌 + 糖分 > 唾液による修復
虫歯
したがって、「子どもの虫歯を予防するには?」
- 虫歯菌に感染させないこと
- 歯垢をためないこと
- 糖分をとりすぎないこと
- 唾液の量を多くすること
“虫歯にならないためには?”
虫歯菌が口の中にいなければ虫歯にはなりませんが、これを100%防ぐことは難しいのが現状です。ですが、虫歯菌がうつったからといって必ずしも虫歯になるわけではありません。
歯垢が多いほど虫歯菌も多くなるので、歯磨きをして歯垢を落としましょう。また、糖分はできるだけ抑えてください。そしてしっかり噛むことで、唾液の分泌を促しましょう。こうすることで、虫歯を予防することができます。
洛和会音羽病院
皮膚科
副部長
清水平 ちひろ(しみずひら ちひろ)
- Q(しつもん)
- ほくろががんになるって本当?
- A(こたえは…)
-
これはウソです
“ほくろががんになる” “ほくろをいじってはいけない”って聞いたことはありませんか?
ほくろは医学的には「色素性母斑」とよばれ、良性のできものの一種です。
一方、皮膚がんのなかには、「基底細胞がん」や「悪性黒色腫」といった、ほくろと見分けのつきにくいものがあります。しかし、実際には両者は別物であり、皮膚がんは最初から皮膚がんの特徴をもっています。“もともとあったほくろががんになるの?”
「ほくろががんになる」という証明はされていません。「ほくろはがんには絶対にならない」とは言えませんが、通常の良性のほくろは簡単に悪性に変化するものではありません。ただし、ほくろと思っているもののなかに皮膚がんの始まりのものがあることもあるので、注意が必要です。
“ほくろはいじってはいけないの?”
人間の体は、どの細胞も刺激することによってがんになる可能性があります。ということは、ほくろも刺激を与えることによりがんになる可能性はあります。また、ほくろだと思っていたものが、初期の皮膚がんということもありますから、むやみにほくろをいじったり傷つけたりする行為はやめましょう。
“ほくろとがんの見分け方は?”
- 形がいびつ
- ほくろと皮膚の境界がはっきりしない
- 色調が不均一である
- 大きさが6mm以上ある
- 中心がくずれて潰瘍(かいよう)になっている
以上の特徴が見られた場合は皮膚科を受診しましょう。
- Q(しつもん)
- 突き指をしたら、指を引っ張ると良いの?
- A(こたえは…)
-
これはウソです
突き指をしたら次のことを迅速に行ってください。
- 患部を固定して安静にします
- 痛みと腫れを軽減するために患部を氷水などで冷やします
突き指・捻挫のなかには、腱損傷(けんそんしょう)、靭帯損傷(じんたいそんしょう)、骨折も潜んでいます。さらに神経を傷めていることもあります。球技のボールによるものや、体と体がぶつかり合うスポーツでの直撃や転倒によるけがが大半を占めます。
放っておくと人生を左右することも
軽く指を傷めたという経験はどなたでもあるでしょう。でも甘く見て放っておくと知らず知らずに症状が悪化してしまっていることがあります。人によっては競技生命・日常生活・仕事に支障を来し、その後の人生設計を左右することもあるのです。
早期の受診を!
手術の必要があるのか、手術は要らなくてもギプスなどで固定する必要があるのか、また、手術をしても後遺症が残るものなのか。いずれにしても、早期に専門医にみせることが大事! 関節が固まらず機能障害が起こらないように、医師と患者さまが意思疎通を図りながら、できる限り元の状態に戻していくために最善の治療を行います。
洛和会音羽病院
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
部長
荒木 倫利(あらき みちとし)
- Q(しつもん)
- 鼻血が出たら、首をとんとんするといいの?
- A(こたえは…)
-
これはウソです
“顔を上向けて、首の後ろをトントンとたたく”という方法(?)が、まことしやかに伝わっていますが、これでは止まりません。
止血には血の勢いを弱めて固まらせることが必要ですが、首の後ろをたたいてもその効果はありません。また、上を向くことで血は全て喉に流れてしまいます。飲み込んで気分が悪くなったり、血の塊で呼吸に悪影響が出て危険です。まずは血を飲み込まないようにうつむきます。骨ではなく柔らかい小鼻の部分をしっかりつまみます。小指ぐらいの太さの綿を鼻に詰めて圧迫すると止血効果が高まります。