異類婚姻譚

狐や梟などの動物が人間の姿に化けて人と結婚したという話は、「異類婚姻譚」として、日本には多く伝えられていますが、西洋にはめったにありません。異類女房の話は全世界中で、わが国とその近隣諸民族にしかない。日本の話のパターンでは、もともと動物だったものが、人間に変身して嫁や婿になるが、西洋の場合では、もともと人間だったものが、魔法によって姿を変えられ、動物になるという風に逆である。更に日本では、嫁は正体がばれる と立ち去り、西洋では魔法がとけて人間に戻って結婚するという結末が多い。 こうした民話による異類婚姻譚の違いは、その民族と自然との関わりが反映していると言っていいだろう。

はて、一神を信じるキリスト教圏の西洋と、全てのものに神が存在する、とする日本人の違いだろうか?

洛和会ヘルスケアシステム 会長 矢野 有洛