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オスグッド・シュラッター病

オスグッド・シュラッター病(略称、オスグッド病)は、10~16歳の成長期男子に多く、ジャンプやボールを蹴るスポーツに多く発生します。

特徴

スポーツ代表例
  • サッカー
  • 陸上
  • バレーボール
  • バスケットボール
オスグッド・シュラッター病スポーツ代表例オスグッド・シュラッター病スポーツ代表例

11~13歳のサッカーチームを対象にした調査では、

240例中55例(23%)がオスグッド・シュラッター病
(引用:鈴木英一ほか:Osgood-Schlatter病の成因と治療・予防 -身体特性と成長過程の観点から-臨床スポーツ医学 23(9): 1035-1043, 2006.)

原因・症状

身長が伸びることで大腿四頭筋が過緊張したり、膝を伸ばす運動を繰り返したりすることで、大腿四頭筋が膝蓋腱付着部を介して脛骨粗面を牽引し、剥離することで生じます。脛骨粗面(お皿の下の骨)の腫脹、圧痛、運動時の痛みが主な症状です。

同じように成長期ぼスポーツ傷害で膝が痛くなるものにジャンパー膝というものがありますが、オスグッド・シュラッター病との大きな違いは痛みの部位にあります。ジャンパー膝は膝蓋腱(右図の○部分)に痛みが出るのに対し、オスグッド・シュラッター病は脛骨粗(右図の△部分)に痛みが出ます。

オスグッド・シュラッター病の原因・症状

治療

安静や痛み止めなどを用いた薬物療法、物理療法、また、競技復帰のためのリハビリテーションを行います。
早期にスポーツ活動の休止を含めた安静保存療法を施行することによって、変形を残さず治癒できる場合もあります。これに対し終末期まで進行し骨棘などを形成してしまうと、痛みは長期におよび、スポーツ復帰後も違和感が残存することがあります。保存的加療で多くの場合は軽快します。成長期の膝痛は早期に受診するようにしましょう。

安静時痛や運動時痛が強い段階では、スポーツを中止し、RICE処置や物理療法、患部外トレーニングを行います。安静時痛が消失した段階では、大腿四頭筋を含めた下肢の柔軟性の獲得を目指し、徐々に運動を開始します。
運動時痛が軽減した段階では、ランニング開始に向けた筋力訓練を行っていきます。運動時痛の再発がなくなれば、競技復帰は可能になります。

当クリニックでは物理療法機器として微弱電流治療器 アキュスコープ80L6®マイオパルス75L®やマルチ電気治療器 インテレクト アドバンス・コンボ 2762CC6®を用い、痛みの鎮静化を図っています。

微弱電流治療器 アキュスコープ80L6®マイオパルス75L®

アキュスコープ80L6®マイオパルス75L®

マルチ電気治療器 インテレクト アドバンス・コンボ 2762CC6®

インテレクト アドバンス・コンボ 2762CC6®

リハビリテーション

膝に負担が集中しないように、お尻周りや足首の筋力トレーニングを行い、負担を分散させます。

ヒップアップ

ヒップアップ

内転筋トレーニング

内転筋トレーニング

殿筋トレーニング

殿筋トレーニング

タオルギャザー

タオルギャザー

安静時痛が消失した段階では、大腿四頭筋を含めた下肢の柔軟性の獲得を目指し、徐々に運動を開始します。主な原因である前ももの大腿四頭筋のストレッチ、筋力訓練をしていきます。

前ももストレッチ

前ももストレッチ

前ももストレッチ

前ももストレッチ

SLR

SLR

運動時痛が軽減した段階では、ランニング開始に向けた筋力訓練も行っていきます。スクワットやランジなど、複合的な下半身の筋力訓練です。また、ランニング開始に向け、ニーアップなどのランニングに近い動きのトレーニングを行い、体の使い方を覚えましょう。

フロントランジスクワット

フロントランジスクワット

スクワット

スクワット

カーフレイズ

カーフレイズ

ニーアップ

ニーアップ

運動時痛の再発がなくなれば、競技復帰は可能になります。徐々に競技に復帰し、痛みが再発しないように注意しましょう。

オスグッド・シュラッダー病は大腿四頭筋など、膝伸展機構のオーバーユース傷害とされていますが、そもそもなぜオーバーユースが生じるのでしょうか。ダッシュやジャンプ、切り返しといった、各スポーツ動作において下肢の筋力はもちろん大切ですが、左右差や四頭筋ーハムストリングスの筋力差が大きければ大きいほど、その使い方に偏りが生じてしまいます。特にオスグッド・シュラッダー病では大腿四頭筋が付着部である脛骨粗面を引っ張ることで、炎症や骨の剥離を生じます。

再発予防

運動前には十分なウォーミングアップを行い、全身の筋力の柔軟性 を確保したうえでストレッチを行いましょう。反動はあまりつけずに30秒程度かけ、ゆっくりと大腿四頭筋をストレッチします。
運動後も同様のストレッチを行い筋疲労の蓄積を防止しながら、炎症を避けるためのアイシングを併用しましょう。自宅での入浴中の筋肉のマッサージや入浴後のコンディションの良いタイミングでのストレッチも有用です。症状が改善した後も継続するようにしましょう。

疾患別治療・リハビリテーション

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