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腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは、腰椎(腰の背骨)において先天的あるいは加齢などによって、神経が慢性的な圧迫を受けている状態を指します。
下半身の痛みやしびれ、動きにくさ、感じにくさ、排尿や排便の障害などの症状が現れます。

腰部脊柱管狭窄症

原因・症状

脊柱管とは、椎骨(背骨)、椎間板、椎間関節、靭帯などで囲まれた脊髄が通るトンネルのことを言います。先天的あるいは加齢により、背骨や関節の変形、靭帯や椎間板の肥厚が生じることで脊柱管が狭窄(狭くなる)し、神経が慢性的に圧迫を受けることで以下のような症状が生じます。

  • 下半身のしびれや痛み
  • 運動麻痺(運動のしにくさ)
  • 感覚麻痺(感じにくさ)
  • 膀胱直腸障害(尿や便を漏らしてしまう)
  • 間欠性跛行(長時間歩行を続けることで、下半身の痛みやしびれが増し歩行困難となるが、座位や前かがみの姿勢をとることで症状が軽快し、再び歩行が可能となる症状)

診断

以下4項目すべてを満たすことで、脊柱管狭窄症と診断されます。

  1. お尻から足にかけての痛みやしびれがある
  2. お尻から足にかけての症状は立つ・歩く動作で強くなり、前かがみになったり座っていると楽になる
  3. 腰痛のみで、お尻から足にかけての症状がない場合は脊柱管狭窄症ではない可能性
  4. 症状とMRIなどによる画像検査の結果が一致している

(引用:腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン・平易な言葉に改編しています)

正常な骨と腰部脊柱管狭窄症の骨

正常な骨と腰部脊柱管狭窄症の骨

正常と比べて脊柱管のラインが直線的でなく、へこんでいる部分が確認できます。
このへこんでいる部分が、狭窄している部分です。

治療

保存療法

薬物療法

薬物療法では外用薬として、消炎鎮痛剤を用いるほか、内服薬として鎮痛薬や抗炎症薬、神経の血流を良くするための血管拡張剤などを使用します。
例:ステロイド、リリカ(神経障害性疼痛薬)

硬膜外ブロック・神経根ブロック

局所麻酔薬を神経の痛む場所に注射し、痛む神経を麻痺させて痛みを取ります。

装具療法

腰椎が後屈(後ろに反る)しないように装具を装着し、体幹の安定性を向上させます。

運動療法

脊柱管狭窄症は,悪い姿勢や歩行などの動作が関係していると考えられます。しかし、その背景には個人因子(既往歴、スポーツ歴、職業など)、身体機能(体の硬さや筋力)など患者さん一人一人違った要因があると考えられます。なぜそのような姿勢や動作が起こっているのかを考え、患者さんに適した運動(ストレッチ、トレーニング、動作指導など)を行っていきます。

股関節の運動
股関節の運動
体幹の運動
体幹の運動
お尻のトレーニング
お尻のトレーニング

手術療法

硬膜や神経根の圧迫を除き、腰椎を固定させる目的で行います。筋力低下などの麻痺症状の改善がおおよそ2~3カ月経過しても改善しない場合に行うことが多いです。

  • 除圧術
  • 脊柱固定術

予後

原則3カ月程度の保存療法を行い、改善が乏しい場合には手術療法が検討されます。しかし、膀胱直腸障害(尿や便を漏らしてしまう)が認められる場合は早期の手術療法が必要です。

疾患別治療・リハビリテーション

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