音楽療法とは
音楽療法をご存知ですか?
みなさんも、音楽に合わせて踊ったり、歌に涙したり勇気付けられたり、
また懐かしい曲によってその当時にタイムスリップされた経験があるのではないでしょうか。
音楽には私たちの心や精神、身体や認知に働きかける力があります。
「音楽には情緒を発散させるカタルシス効果がある」― アリストテレス
「音楽は魂の薬である」― プラトン

音楽の持つ働き
音楽は古代エジプトやギリシャ、中世ヨーロッパでは医療の一環として組み込まれ、ルネッサンス・バロック期においては、音楽と医療の総合的な治療が行われるほど、なくてはならない存在でした。
第二次世界大戦後には急速に実践や研究が進み、そして現代、音楽療法は多様な領域において臨床研究結果をベースに、世界中の医療・福祉・心理・教育の現場で行われ、効果を上げている臨床行為の1つになりました。
音楽療法では、対象者が必要とするケアを行うため、音楽を聴く・奏でる・創る・語るなどの方法を用いて、「音楽の持つ働き」で最善のサポートを目指します。
身体面への
サポート
- 身体機能の向上
- 筋肉の緊張軽減
- 痛みの緩和
- 質の良い睡眠
心理・精神面への
サポート
- 感情表現の促進
- 心的ストレスの緩和
- 安心感の向上
- 生きがい
社会面への
サポート
- 社会的交流
- 孤独や孤立の軽減
- 自己表現の機会
- 自尊心
認知面への
サポート
- 脳の活性化
- 記憶への刺激
- コミュニケーション
- 見当識
音楽療法士の役割
音楽療法士とは、『どのような音楽・音楽素材』を『どのように使うか』について専門のトレーニングを受け、資格を保持するプロフェッショナルです。音楽療法士の役割は、適切な音楽を選び、その音楽の力を用いて対象者のケアを行うことです。歌唱、生演奏鑑賞、楽器演奏、即興演奏、ソングライティング、歌詞分析、ムーブメント、音楽リラクゼーション、音楽イメージ法など、音楽に関わること全てが手法になります。
現在、音楽療法は認知症、リハビリテーション、がん治療、緩和ケアなど、さまざまな医療の現場において実施され、多職種と連携・協働しながらその効果を発揮しています。