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女性のためのスポーツ外来

女性のためのスポーツ外来開設のお知らせ
※完全予約制

2020(令和2)年2月28日より、女性のためのスポーツ外来を開始しました。
女性医師による女性アスリート専門の外来診療です。女性特有のからだとこころのトラブルに対応します。

スポーツドクターの資格を持つ産婦人科医が女性アスリートをサポート

女性アスリートのコンディションは、月経(生理)と深く関連しています。「生理痛が強くてトレーニングができない…」「生理前はやる気が出なくなってしまう…」「試合の日が生理と重なったらどうしよう…」「ハードな練習を続けていたら生理が来なくなったけど大丈夫かな…」といった悩みを抱えているアスリートは少なくありません。このような月経に関わる悩みや相談・疑問に、スポーツドクターの資格を持つ産婦人科医がお応えします。

小学生・中学生・高校生期は、からだもこころも大きく成長する大事な期間です。競技に(もちろん、勉強も!)全力で取り組みながら、健康的な大人のからだを築いていくことが大切です。また、成人選手の方では、より高いパフォーマンス発揮のため、自己のコンディションを自分自身でしっかり把握・管理することが求められます。からだの内面の変化と上手に向き合い、利用することで、快適に、楽しく、充実した競技生活を送ることができるよう、専門家の視点からサポートします。また、最近では妊娠、出産後も選手としてのキャリアを維持している方がたくさんいらっしゃいます。そのような方への産前・産後の生活面のアドバイス、競技活動の支援も行います。

まずは、気軽に立ち寄ってください。どんな小さな悩みや疑問でも、遠慮なくお尋ねください。一緒に解決していきましょう!

医師 楳村 史織
医師 楳村 史織

以下のような問題に対応します

スポーツ貧血(鉄欠乏性貧血)

アスリートに限らず、女性は月経で血液を失うため、貧血になりやすいといえます。統計によると20~39歳の日本人女性の約19%が貧血(血中ヘモグロビン値12g/dl未満)と診断されています(2018年厚生労働省国民健康・栄養調査より)。
ダイエットや練習量の増加によるエネルギー不足から生じることが多くあります。

  • 息切れがしやすい(走ったり階段を上るとき)
  • 疲れやすい、体がだるくなる
  • 足・足関節痛で走れない(疲労骨折)

月経困難症

月経の時期には、おなかや腰の痛み(いわゆる月経痛)のほかにも、さまざまな体調の異常が起きることがあります。

  • 頭が痛い、肩が凝る、身体がだるい
  • 手足や顔がむくむ、胸(乳房)の張った感じや痛み
  • 下痢・便秘、食欲の異常(吐き気・食欲低下。逆に異常に食欲が増す場合も)
  • 眠気、不眠
  • イライラする、気分が落ち込む、集中できない・やる気が出ない

月経前症候群(PMS)

月経が始まる数日~10日前ごろから起きる心身の不調で、月経がはじまると軽くなったり消える症状のこと。月経困難症と同様の症状のほか、精神的不調が強く出る場合もあります。

月経不順

月経が規則正しく来ない状態。(「規則正しい」とは、月経の開始日から次の月経の開始日までの日数(月経周期)が25日以上38日以内の状態のことです)

無月経

月経が全く来ない状態が3カ月以上続く場合。

過多月経・過長月経

  • 1時間以内に生理用ナプキンがいっぱいになる
  • 昼間でも夜用のナプキンを何度も変えるほど出血する
  • タンポンとナプキン両方使っても漏れることがある
  • レバーのような血の塊が出る

などの状態であれば過多月経といえます。または出血が長く続く(通常1週間ほどで終わりますが、それ以上)場合を「過長月経」といい、これも貧血につながります。

不正出血

月経の時期でないときに出血したり、おりものに血が混じったりする。

月経移動

試合や遠征など、大事なイベントと月経が重ならないよう月経の時期をずらす。

婦人科のマイナートラブル

陰部のかゆみ、おりもの、軽い尿もれなど。

競技活動と妊娠・出産についてのご相談

受診の流れ

1.問診


詳細な問診を行います。
どのような点で困っているか、これまでの月経の状況、体の発育状況、競技活動の状況などについて確認します。

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2.検査

困っている事柄の原因を知るために、血液検査、超音波検査、エックス線検査などの必要な検査を行います。
(※一般の産婦人科で行われる「内診」は、診断治療のためどうしても必要な場合を除き、原則行いません)

※検査の結果、産婦人科的な病気(の疑い)があるなど、より詳しい検査や治療が必要となった場合は、専門の病院をご紹介します。(京都府立医科大学、ほかご希望に応じます)

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3.治療

治療法についてご相談します。

  • 日常生活やトレーニング内容の調整で改善できる点についてはご家族や指導者の方にも説明し、ご協力いただきます。
  • 必要に応じ、薬での治療を行います。(アスリートの方はドーピング規定上使用できない薬もありますので、使用して問題のない薬を選択します)

女性アスリートと貧血

一般に「貧血」と呼ばれる病状のなかで頻度が高く、また競技活動に大きく影響するものは「スポーツ貧血(鉄欠乏性貧血)」で、名前のとおり体に鉄分が不足しているために起きる貧血です。鉄分は赤血球のなかに含まれる「ヘモグロビン」という物質の材料です。ヘモグロビンは酸素を体のすみずみまで運ぶ役割をしていますので、ヘモグロビンが足りないと全身に十分な酸素が行きわたらず、体の働きが低下します。進行すると「走ったり階段をのぼったりすると息切れがする」「疲れやすい、だるい」などの自覚症状が出ますが、貧血が少しずつ進行していった場合など、症状に気づきにくいこともあります。
アスリートは、月経に加えさまざまな原因により、下記のように貧血が進んでしまう場合があります。

運動とスポーツ貧血(鉄欠乏性貧血)

鉄の喪失

  • 消化管の出血、血尿
  • 汗からの喪失
  • 強い筋収縮、足底への繰り返す衝撃による溶血
  • 月経

鉄摂取不足・吸収障害

  • 食事制限、食欲低下による栄養摂取不足
  • 消化管からの鉄吸収能力の低下

その他

  • 筋肉量・血液量の増加による相対的な鉄不足

貧血の予防と治療

貧血状態ではパフォーマンスが低下します。日常の食生活で鉄分の摂取につとめ、貧血を予防しましょう。
貧血(鉄欠乏)が高度な場合、薬による治療が必要です。治療の基本は鉄剤の内服です。内服を始めて早ければ数日目から自覚症状が改善します。なお、内服によりヘモグロビン値が正常化しても、体内の鉄分の予備が十分になるまで治療を続けることが望ましいです(標準的には3~4カ月)。体内の鉄分の貯蓄は「フェリチン」という成分で判定します。一般女性では血中のフェリチン濃度が12ng/ml 以下となると貯蔵鉄不足と判断しますが、アスリートの場合は20~30ng/mlを下回るとパフォーマンスに影響が出ると考えられています。

ただし、スポーツ貧血(鉄欠乏性貧血)を治療する際の注意点として、鉄過剰(鉄分の摂り過ぎ)があります。摂りすぎた鉄分は肝臓をはじめとした全身の臓器に蓄積し、障害を起こすことが知られています。疲れやすい、関節の痛みなどの自覚症状を伴います。

「競技の成績が上がらないのは貧血のせいだ」と自己判断し鉄剤や鉄分を含むサプリを過剰に摂取していたためにかえって体調もパフォーマンスも低下してしまった、というケースが時々みられます。必ず医療機関で血液の検査を行い、鉄剤投与の必要性を判断したうえで医師の指示通り、適切な量を使用するようにしてください。

ピル(LEP)イメージ

鉄剤の注射には要注意!

鉄剤には内服薬のほかに注射薬もありますが、注射薬は内服に比べ、鉄過剰を起こしやすいリスクがあります。注射薬を使用してよいのは、急な出血などによる極度の貧血や、内服薬で強い副作用がありどうしても内服が難しいなど、特殊な場合に限ります。その際も必要最低限の使用にとどめ、投与過剰にならないよう厳重な注意が必要です。

かつて一部の競技者の間で、成績を上げるために鉄剤の注射が頻回に行われていましたが、必要以上の注射を行っても効いたような「気がする」だけで実際のパフォーマンスには効果がなく、かえって有害です。全国高校駅伝では、大会の前に出場選手に血液検査を義務付け、血中の鉄分の不自然な高値(注射を行っている証拠)がないか調査しています。

過多月経と貧血

月経時の出血量が多いことを「過多月経」といいます。

  • 1時間以内に生理用ナプキンがいっぱいになる
  • 昼間でも夜用のナプキンを何度も変えるほど出血する
  • タンポンとナプキン両方使っても漏れることがある
  • レバーのような血の塊が出る

などの状態であれば過多月経といえます。または出血が長く続く(通常1週間ほどで終わりますが、それ以上)場合を「過長月経」といい、これも貧血につながります。
子宮や卵巣の病気、ホルモン分泌の異常、血液が固まりにくい病気などいくつかの原因が考えられます。上にあげたような症状があてはまる方は病院で検査し、適切な治療を受けましょう。

女性アスリートと低用量ピル(LEP)について

月経困難やPMS、月経不順などの症状を軽くする目的で、低用量ピルが有効な場合があります。月経時の出血量を抑える作用もあるので、貧血の改善にも効果があります。
内服していると月経の来る日程が正確に分かるので、それに合わせた体調管理ができ、また、服用を調節することで月経の来る日を試合などと重ならないようにすること(月経移動)も可能です。
海外では大多数の女性アスリートが低用量ピルを使い、月経と上手に付き合っていることが知られており、日本の女性トップアスリートでも低用量ピルを活用し競技成果をあげる方が徐々に増えてきています。もちろん、内服してもドーピングにはなりません。

使ってみたいという方、話だけ聞いてみたいという方もぜひ来院ください。ただし、持病や体質などで使用ができない、あるいは注意が必要な方もいますので、まずは使用可能かどうかご相談ください。

ピル(LEP)イメージ

スタッフ紹介

楳村 史織
楳村 史織

2000(平成12)年、京都府立医科大学医学部卒業。学生時代は陸上部として活躍した。
姉は3000m障害日本記録保持者の早狩実紀選手で、現在女性アスリートの悩みを克服するため、日々診療に奮闘している。

専門医認定・資格など

  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 日本女性医学会専門医
  • 日本スポーツ協会公認スポーツドクター

診療日時

第1・3・5 金曜日
午後
※祝日・年末年始(12月30日~1月3日)を除く

完全予約制となります。受診される方はお電話でのご予約をお願いいたします。

疾患別治療・リハビリテーション

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