看護部長 飯古 美詠子
地域の皆さんに健康と安心を
地域住民の皆さんの健康を支援するため、地域医療支援病院の役割を担いつつ、急性期医療を軸により良い医療を提供することが洛和会音羽病院の役割です。住み慣れた場所で住民の皆さんの生活を支援できるよう、急性期から在宅まで切れ目のない看護の提供に努めてまいります。
洛和会ヘルスケアシステムの看護理念
スローガン
「看護でつなぐ…」
目指す看護師像(育成したい看護師像)
「看て、触れて、考え、創造する看護師」
セル看護提供方式
セル看護提供方式は、ナースの「動線」に着目し、改善手法を用い動線のムダを省き、「患者のそばで仕事が出来る=患者に関心を寄せる」を実現する看護サービス提供システムです。 受け手の価値を最大化できる方式であり、患者さんにとって有益であり、患者のそばで看護したい、患者ケアを充実したい、患者中心の看護を実践する為に2023年(令和5年度)より準備を開始し、2024年(令和6)年3月より、セル看護提供方式を導入しました。
【概念】
許可入院患者数 | 548人
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看護単位 | 17単位
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ある特定の看護分野において熟練した看護技術や知識を有する者として、日本看護協会の専門看護師・認定看護師・認定看護管理者認定審査で認められた看護師です。
診療看護師 |
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専門看護師 |
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認定看護管理者 |
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認定看護師 |
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そのほか |
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特定看護師 (⇒特定行為研修について) |
17人:特定区分(個々で修了した区分)
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洛和会ヘルスケアシステムでは、救命救急から急性期、慢性期、回復期、訪問看護と幅広い領域での看護提供を行っております。
当院では、看護師のサポート役としてナースパートナーも活躍しています。
患者さん自身が納得して検査・治療ができるように、外来で入院が決まった段階から多職種協働で入院オリエンテーションと相談に応じています。国の政策により病床機能分化が急激に進み、急性期病院の平均在院日数がますます短縮するなか、安心して入院生活を送るためには、入院前から入院中や退院後の生活を想定し準備しておくことが大切です。また、退院後の生活への円滑な移行ができるよう退院後訪問も実施しています。
病院での療養生活だけでなく、患者さんの生活の場である“地域”との連携を重要視しています。地域包括ケアシステムにおける看護部門の役割として、「かかりつけ医」や「介護サービス事業所」「ケアを担うご家族」との情報共有やケアの指導がスムーズにできるように「顔の見える関係」を構築し、関わっています。
看護部では、看護師のクリニカルラダー及びキャリアラダーを活用し、看護の専門性を磨き、質の高い看護を提供するために必要な看護実践能力の向上を目指した教育体制を整えています。さらに、看護師一人一人のラダーレベルに応じた継続教育を通して、地域社会に貢献していける看護のスペシャリストとして活躍できる人材育成を目指しています。
1年間を通して、集合研修(表1)と各部署内教育(OJT)を並行して実施しています。新卒の看護師は、ラダーレベルⅠ「基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実施する」の認定取得に向け、シミュレーション研修を積極的に取り入れ、必要な看護実践能力を獲得できるように充実した研修を行っています。また、プリセプター・実地指導者への教育・支援も定期的に実施しています。
表1:新人看護職員集合研修
実施 | 研修内容 |
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4月 |
看護部オリエンテーション(入職時) 看護部教育について 感染防止対策(基礎編) 医療安全対策について |
接遇について | |
看護基礎技術演習① | |
看護基礎技術演習② | |
看護倫理①(基礎編) | |
看護倫理②(実践編) | |
看護必要度・看護記録(電子カルテ操作) | |
静脈注射レベルⅠ(注射法の演習と設定取得) | |
メンタルサポート | |
医療機器の取り扱い | |
5月 | フォローアップ研修(1ヵ月) |
6月 | シミュレーション研修(多重課題) |
7月 | フォローアップ研修(3ヵ月) |
9月 | 認知症サポーター養成講座 |
看護補助者業務についての理解 | |
10月 | シミュレーション研修(急変対応) |
11月 | フォローアップ研修(6ヵ月) |
感染予防対策 | |
12月 | シミュレーション研修(接遇) |
2月 | ナラティブ発表会 |
3月 | フォローアップ研修(1年) |
2006(平成18)年度より導入し、看護師の臨床実践能力を評価し、質的向上と専門職としての役割遂行が高められるよう、支援体制を強化しています。2017(平成29)年度には、日本看護協会版「看護師のクリニカルラダー」(下記表)に準拠して洛和会ヘルスケアシステムの5病院で評価基準を統一しました。
レベル | 定義 |
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Ⅰ | 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する |
Ⅱ | 標準的な看護計画に基づき自立して看護を実践する |
Ⅲ | ケアの受け手に合う個別的な看護を実践する |
Ⅳ | 幅広い視野で予測的判断をもち看護を実践する |
Ⅴ | より複雑な状況において、ケアの受け手にとっての最適な手段を選択しQOLを高めるための看護を実践する |
看護師にとって必要な看護ケアの知識及び実践能力向上に向けて、看護のスペシャリストである院内の認定看護師・特定看護師を講師として以下のような研修を行っています。
~ラダー研修テーマ~
一人一人が描いたキャリアデザインに添って、スタッフの指導・教育の立場にある者、管理的立場にある者を対象とした研修を実施しています。
2017(平成29)年度より、常勤・非常勤を問わずすべての看護職員に『学研ナーシングサポート/ナーシングメソッド』のIDを付与し、「それぞれのタイミングで、個々の課題や関心に応じて」学習ができるよう、E-learningを導入しました。
ナーシングメソッドの活用により、根拠に基づいた看護技術をいつでも臨床場面で確認しながら提供することが可能になりました(ネット環境を整備)。
また、ナーシングサポートは基礎習得コースや中堅コース、管理者コースなど幅広い医療・看護に必要な最新テーマが用意されているので、個々のモチベーションに応じた学習の展開に役立てることが可能です。
洛和会音羽病院では、特に、ビギナーナース、レベルⅡナースの院内研修へ積極的に活用し、off-JTとOJTの連動を強化しています。導入間もないですが、当院看護師の視聴状況は、京滋地区の学研ナーシングサポートユーザーの中でもトップレベルにあり、看護師の学習意欲の高さがうかがえます。
院外で開催される様々な研修会や各専門分野の学会発表や参加についても、積極的に支援しています。 さらに、専門看護師や認定看護師、特定看護師の資格取得のための研修、実習指導者講習会をはじめとした研修会への受講も、看護師一人一人のキャリア支援の一環と位置付け、看護部としても受講期間を通してしっかりとサポートしています。