洛和会ヘルスケアシステムは「医療」「介護」「健康・保育」「教育・研究」の総合ネットワークです。

洛和会音羽病院 マタニティー

〒607-8062 京都市山科区音羽珍事町2

075(593)4111(代)

無痛分娩

無痛分娩とは

無痛分娩とは、麻酔を使用して痛みを最低限に抑える分娩方法のことです。当院では総合病院ならではの、麻酔科医師・産婦人科医師、助産師・看護師のチーム体制で妊婦さんをお迎えしています。

対象となる方

現時点では、帝王切開既往でない経産婦さんのうち合併症リスクの低い方を対象としています。

  • 音羽病院へ通院中の方:外来でお早めにお申し出ください。
  • 里帰りで無痛分娩を希望される方:妊娠初期に紹介状をもって受診してください。

※妊娠中期以降の方もご相談を受け付けておりますので、お気軽にご予約ください。

紹介外来のご予約について(医療機関さま専用)

医療機関さまからの紹介外来のご予約は、地域連携課(コールセンター)で受け付けております。
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麻酔方法(硬膜外麻酔)について

硬膜外麻酔は無痛分娩で最も一般的な麻酔方法です。脊椎(背骨)の骨の隙間から針を挿入し、硬膜外腔に直径1㎜以下の管(カテーテル)を留置します。このカテーテルから麻酔薬を投与することにより、麻酔開始後約30分で陣痛が軽減されます(効果が不確実な場合にはカテーテルを入れ替えることがあります)。
当院ではこの硬膜外麻酔を、麻酔科医師が担当します。妊娠中に産科麻酔外来にて麻酔科医師より詳細のご説明や麻酔のための診察を受けていただいた上で無痛分娩の予約をお取りします。

産科麻酔外来リーフレット
産科麻酔リーフレット【PDF(2MB)】

メリットとデメリット

多職種からなるチームメンバーが協働し、万全の態勢で臨みますが、どんな医療行為にもメリットと共にいくつかのデメリットがあります。これらをご理解いただいたうえでご検討ください。

メリット

  • 陣痛を軽減することにより、落ち着いて分娩に臨むことができます。
  • 分娩時の体力の消耗が少なく、産後の回復が早くなることが期待されます。

デメリット

  • 薬剤による副作用
    血圧の低下、かゆみ、体温上昇、吐き気、産後の創部痛を強く感じる場合があります。
  • 合併症
    尿閉、背部痛、神経障害、頭痛、硬膜外血腫/膿瘍、局所麻酔薬中毒(多弁、興奮、耳鳴り、味覚障害)、全脊髄くも膜下麻酔など(呼吸停止、心停止)が起こりうるリスクを伴います。
  • 麻酔を行うことによる分娩への影響
    いきみのタイミングが分かりにくくなる、陣痛促進剤使用の増加(50~80%)、分娩時間の延長、吸引分娩の増加(10%)の可能性があります。※帝王切開率への影響はありません。

副作用や合併症の早期発見および早期対応のため、無痛分娩中はベッドの上で安静にしていただき、胎児心拍数陣痛図のほか母体の血圧や脈拍など母児の状態をモニタリングしながら進めます。母児の状態によっては硬膜外麻酔が行えない場合もあります。ご了承ください。

スケジュール

無痛分娩をご希望の場合の、妊婦健診のスケジュールの目安をご紹介します。

妊婦初期 産科麻酔外来を受診後、無痛分娩の予約をお取りします。
30週ごろ 無痛分娩学級を実施します。無痛分娩を正しく理解していただくため必ずご参加ください。
32週ごろ エックス線検査を行います。
35~36週ごろ 産婦人科医・麻酔科医より詳しい説明をします。
同意書をお渡ししますので、説明内容を十分に理解して納得された上で署名し、提出してください

計画分娩について

安全に無痛分娩を行うため、当院では計画的に薬剤で陣痛を誘発して分娩を促します。タイミングは妊娠39~40週の平日、日中に設定します。

  • 設定日以前、もしくは夜間に分娩となる場合には、原則として硬膜外麻酔は行えません。
  • 薬剤投与前に頸管が未熟な場合(子宮の出口が硬くて十分に開いていない場合)には、頸管熟化処置(子宮頸管を柔らかくして広がり易くする処置)を行います。

※起こりうる副作用と合併症:アレルギー、過強陣痛、子宮破裂、産道損傷、胎児機能不全など

費用について

通常の分娩入院料+10万円(外来での検査料、追加入院費を除く)
※分娩に至らない場合は入院費のみとなります

安全のための取り組み

より安全性の高い分娩を目指すためには、産婦人科医師のみでなく救急医や麻酔科医、助産師の連携と実践教育が重要です。当院では、スタッフの技術向上を図るため院内・院外で以下のような取り組みを積極的に行っています。

J-CIMELS講習会の実施

J-CIMELS(日本母体救命システム普及協議会)公認のシミュレーション講習(母体急変時の初期対応)を院内で定期的に実施し、スタッフの資格取得やスキルアップに努めています。当院では現在、医師2人(麻酔科、産婦人科)がインストラクターとして、また、医師3人と助産師2人がアシスタントインストラクターとしてJ-CIMELSの認定を受けています。さらに硬膜外無痛分娩急変に対応するための講習も受講を進めています。

安全かつ安心な無痛分娩を提供するために(らくわプラス)

JALA主催 安全講習会

JALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会)の安全講習会に参加し、妊婦さんの急変時シミュレーションなどを行っています。

ご相談

当院では妊婦さんやそのご家族にも無痛分娩の流れ、メリット・デメリットをしっかりお話ししております。無痛分娩を検討したい方、ますは話を聞いてみたい方もお気軽にご相談ください。