治療について
帯状疱疹(たいじょうほうしん)
帯状疱疹は、最初は皮膚にちくちくとする痛みが生じ、その後、その部分が赤くなり、水ぶくれになってきます。水痘(みずぼうそう)と同じウイルスが原因で発症します。子どものころに水疱にかかると、治った後も、水痘ウイルスが長い間神経の中に潜んでいて、疲れやストレスなどで体の抵抗力が落ちたときに、そのウイルスが目覚めて増えてきます。
普通は怖い病気ではありませんが、眼の周りにできると角膜ヘルペス、耳の近くにできると顔面神経まひを起こすこともあります。また、後遺症として痛みが残る場合があります。
足、爪白癬(つめはくせん)-みずむし
みずむしは、白癬(はくせん)菌というカビが皮膚に付着・侵入すると起こる感染症です。人にうつることもあるので、自分のためだけでなく、まわりの人のためにも、完全に治療することが大切です。足にできる病気はみずむしだけではありません。似たような症状に汗疱(かんぽう)、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などがあります。
自覚症状だけでは、みずむしではない場合もありますので、自分で判断せずに、必ず皮膚科専門医による顕微鏡検査を受けましょう。
また、足だけでなく、爪にもみずむしがうつることがあります。発症部位の多くは足の親指の爪が多く、その症状はさまざまですが、爪が白く濁ったり、変形したり、ぼろぼろ欠けたりすることが特徴です。
この場合も必ず、診断には皮膚科専門医による診断と顕微鏡検査が必要です。
腫瘍 -できもの
足の裏のほくろなどの腫瘍が悪性だった場合、非常に悪性度が高く、進行が速いため、治療が手遅れになると、生命に関わってきます。しかし、早期の状態で見つけ、手術を行うと、ほとんど治すことができます。早期発見・早期治療が大事です。気になることがあれば、早めに受診してください。もし悪性の場合、京都府立医科大学 皮膚科と連携をとって、治療を行うことが可能です。
男性型脱毛症
男性型脱毛症は進行性であるため、髪の毛を増やすことのみでなく、抜け毛の進行を遅くし、現状を維持することも治療経過です。当院ではプロペシア錠(1mg)を取り扱っています。治療効果は、抜け毛が減ったかどうかが目安となり、その判定には通常6カ月の服用が必要です。(自費診療です)
尋常性座瘡 -にきび
皮脂の分泌が盛んになり、同時に毛穴がふさがれると、にきびができます。
白いにきびは、毛穴は閉じていますが、中に皮脂がつまっている状態です。
黒いにきびは、毛穴が開いて先端が黒くなった状態。中では皮脂が固まっています。
赤いにきびはさらにひどい状態で、皮膚の中でにきび菌(アクネ菌)などが産生する酵素が、毛穴の壁を刺激・破壊するため、炎症が起こります。
治療としては、まずは生活スタイルの見直しです。正しい洗顔をしていますか?
また、食生活のバランスは大丈夫ですか? 睡眠不足やストレスなども原因になります。
にきびは早めに治療して、にきび痕を残さないようにすることが大事です。
治療方法
- 抗生物質の外用剤を使い、にきびの原因の菌を殺して毛穴の炎症を抑えます。
- ビタミン剤(B2、B6、C)の内服で、皮脂の分泌亢進(こうしん)を正常化します。
- 抗生剤の内服
- 毛穴の詰まり:面疱(めんぽう)圧出する処置(自分で行うのは避けましょう)
以上を組み合わせて治療を行います。(保険で可能です)
しかし、これらの治療を行っても繰り返しにきびができる方や、にきびの跡が気になる方は、ケミカルピーリングをお勧めします。ピーリングすることによって、毛根に繁殖しているアクネ菌や毛穴につまっている汚れ、黒ずみを溶かすため、今できているにきびを治し、開いた毛穴を引き締めます。また皮膚の小さな瘢痕(はんこん)となってしまったにきびの跡を平らにしたりします。
※ピーリングは自費診療です
しみ、くすみ
健康で若々しい肌は、約45日の周期で新しい細胞が生まれ変わっています。(肌のターンオーバー) 細胞が老化した肌や紫外線の影響を受けた肌には、はがれ落ちるはずの古い角質が厚い層をつくります。この層が、新しく生まれ変わろうとする細胞の邪魔をするため、ターンオーバーの周期が長くなります。そうすると、表皮には古い角質がこびりついたままになって、しみやくすみなど、さまざまなトラブルが生じます。
ケミカルピーリングは、古い角質を取り除き、新しい細胞の産生を促すことで、角質のターンオーバーを正常に戻します。また、真皮(肌の奥)のコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどを増やす作用があるため、お肌のハリがよみがえり、たるみが改善します。
ピーリングした後の肌は、余分な角質が取り除かれた状態なので、ビタミンCローションやハイドロキノン(美白剤)といった有効成分が浸透しやすくなっています。