救急・総合診療科
副院長
上田 剛士
「総合診療科」という名前に、なじみのない方もおられるかもしれませんが、内科全般の病気に対して、幅広い診療分野をもつことが特徴で、患者さんのさまざまな病気や悩みに対応していくという、「全人的医療」を目指す診療科です。
救急外来から入院加療、外来診療まで一貫して行うことで、より安心できる医療を提供できると考えています。また、幅広い診療を可能とするために、洛和会音羽病院の医師と定期的に交流を行ったり、米国などの外国人医師から講習を受けるなどして、新しい知識を深く取り入れるようにしています。
詳細内容は、こちらでご覧いただけます
外来担当医
救急・総合診療科
*…女性医師
時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前8時30分~正午 | 新患 | 上原智之 | 柴田裕介 | 砂川智佳* | 長谷川稜 | 福井遼太 | 中川恵* |
再来 | 井上弘貴 | 松川展康 | 笹松信吾※ | 西沢拓也 | 山下恵美* | 左近真之 | |
上田剛士 | 大江将史※ | 島惇 | 吉川聡司 |
※10月16日(水)笠松医師、17日(木)大江医師は休診となります。ご了承ください。
洛和会丸太町病院の総合診療科とは?
患者さんの抱えている問題を総合的に治療
人が健康に過ごすためには、脳や精神、肺、心臓、消化管、血液、免疫、内分泌などのさまざまな臓器やシステムがうまく調和して働かなければなりません。どれか一つでもうまくいかなくなると、人は病気になります。さらに、一つの問題がほかの臓器やシステムにまで悪影響を及ぼすことがほとんどです。例えば、肺炎をきっかけに腎不全になったり、脳梗塞になったためにうつ病と低栄養状態が重なったりします。
私たち、救急・総合診療科の医師は、一人ひとりの患者さんを良くするために、さまざまな臓器やシステムの問題点を見つけ出し、評価を行い、最良の治療を行うことを大切にしています。
深さを失うことなく幅広く
患者さんの抱える問題全てについて最良の治療を行うことは簡単なことではなく、幅広い知識、技術を必要とします。しかし、幅広いだけでは十分ではありません。その質の高さを保証する必要があります。私たちは治療のための知識や技術の幅広さと深さを追求するために重要と考え、日々努力していることがあります。
チームでの医療
洛和会丸太町病院の大きな特徴は、各専門科の医師のチームワークが良いことです。これにより、高度で専門的な診療を必要とする場合には、すぐに連携がとれます。
総合診療科に入院された場合、1人の患者さんあたり平均5~6人の医師がチームとして、日曜・祝日も例外なく毎朝回診し、皆で議論をします。夕方からはその日の出来事を報告し合い、行っている診療が最善であるか再度議論を行うことで、高い質と安全性を保障しています。
医師間のみならず看護師、リハビリテーション、医療相談員、薬剤師、管理栄養士、臨床工学技士との連携も密で、病棟では多職種カンファレンスが週に3回行われています。
学会、日々のカンファレンスや勉強会
医師一人ひとりの自己学習は非常に重要です。しかし、それだけでは十分でありません。積極的に学会に参加し、最新の知見を取り入れること、毎日行っているカンファレンスや勉強会でお互いの知識を共有することを重要と考えております。また、海外から著名な臨床医・教育者を招いて内科学の研鑽(さん)を積んでいます。
2023年の診療実績
- 誤嚥性肺炎:219件
- 急性腎盂腎炎:114件
- 心不全:90件
- 細菌性肺炎:81件
- 脱水症・代謝障害:65件
- 腰椎・骨盤骨折:65件
- 胆のう結石・胆管炎:59件
- コロナウイルス感染症:57件
- 心臓疾患:46件
- 脳梗塞:44件
- 敗血症:42件
- 肺疾患その他:41件
- その他感染症・菌血症:41件
- 耳鼻疾患:40件
- イレウス:38件
- 関節炎・リウマチ・偽痛風:38件
- 胃・食堂・十二指腸潰瘍:36件
- 蜂窩織炎:29件
- 喘息・慢性閉塞性肺疾患:28件
- 胃腸炎:28件
- 急性薬物中毒:27件
- 急性腎不全:23件
- 脳神経疾患その他:22件
- 間質性肺炎:22件
1年間で入院加療された患者さんの数
合計:1,295人
診療内容
外来診療
自分がどの診療科にかかればいいかわからない方、長らく原因不明の症状で悩んでおられる方、急病にかかってしまった方などの受診をお勧めします。各診療科との協力関係も強化しており、必要な場合は適切な診療科へスムーズに紹介いたします。
また、予防医学にも力を入れており、高血圧、脂質異常症、糖尿病、メタボリック症候群など、いわゆる“生活習慣病”の管理、ワクチンの接種も行っています。
そして、総合診療科では、リウマチ・膠原(こうげん)病、感染症、骨粗しょう症、血液内科の専門外来を行っています。
救急・総合診療
幅広い分野の初期診療を行う内科救急を、救急・総合診療科が中心となって担当しています。一次~三次救急まで、重症度に関わらず、ほとんどの内科領域を扱うことができます。
このような体制を可能にしているのは、ほかの専門科の医師との連携がスムーズに行えることが背景にあります。夜間でも、緊急カテーテル検査、緊急内視鏡検査が可能です。
また、当院では、救急車の受け入れを積極的に行っており、年間3,000件以上の救急搬送があり、現在も着実にその件数は増加しています。「救急・総合」という名前に恥じぬよう、あらゆる疾患、重症患者さんを受け入れています。
質の高い医療を提供
救急・総合診療科のスタッフは重症管理、集中治療のトレーニングを受けており、各科との連携もとりながら、常に世界基準にのっとった治療を実践しています。ショック、呼吸不全、心肺停止、急性腎不全など、あらゆる内科系重症疾患に対応可能で、人工呼吸器管理、持続透析、血漿(しょう)交換は24時間行うことが可能です。
早期退院を実現
当院の救急・総合診療科は救急診療から入院診療、そして外来まで一括して同じ医師チームが責任をもって診療にあたっていることが特徴です。このシステムにより亜急性期の外来診療が可能となり、従来と比較して早期退院ができるようになりました。お仕事をされている方など早く退院されたい患者さんは、状態にもよりますが、従来の一般的な入院期間と比べて3分の2ほどの入院期間で済む方もおられます。また、毎日点滴が必要な患者さんでも、土曜日も診察が可能で、時間外でも点滴が可能な当科のシステムなら入院をしなくても治療が可能な場合があり、特に若い患者さんにご好評いただいております。
入院診療
呼吸器、腎臓、神経、感染症、内分泌糖尿病、血液、リウマチ・膠原(こうげん)病、アレルギー、中毒を中心に診療しています。
集中治療
当院には厚生労働省の認可を受けた6床のHCU(高度治療室)があり、ショック、呼吸不全、心肺停止、急性腎不全など、あらゆる内科系重症疾患に対応可能です。総合診療科のスタッフは、重症管理、集中治療のトレーニングを受けており、各科との連携もとりながら、常に世界基準にのっとった治療を目指し、実践しています。血漿(しょう)交換や持続透析も、24時間行うことが可能です。
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