甲状腺腫瘍
【写真1】 CT画像
前頸部(ネクタイの結び目あたり)に存在する甲状腺ホルモンをつくる臓器が甲状腺です。甲状腺腫瘍は前頸部のしこりとして発見されることもあれば、検診で偶然に発見される場合もあります。
良性・悪性の判断が大切で、そのための検査として、血液検査、CT検査(【写真1】)、エコー検査、そしてエコーガイド下の針生検を行います。
細胞診でがん細胞(悪性腫瘍)が見つかった場合は、手術が必要です。また、がんであることが否定できない場合や、良性でも腫瘍が大きい場合には、手術をする場合があります。このような場合は、得られた検査結果を基に、患者さんとよく相談し、最終的な治療方針を決定します。
甲状腺腫瘍摘出手術
【写真2】 手術
術は全身麻酔で行い、片側の甲状腺切除で約1.5時間程度で、出血はほとんどありません。(【写真2】)手術当日または翌日から食事、歩行、トイレなどを開始していただきます。手術後5日で抜糸、手術後6日で退院できます。
退院時または退院後の外来受診時に、手術で切除した甲状腺の病理組織の結果(良性か悪性かなど)をご説明します。
術後の傷は、体質により異なりますが、通常は術後半年程で目立たなくなってきます。
入院から治療終了までの基本的なスケジュール
入院・手術
- 〔1日目〕入院
- 〔2日目〕手術(1.5~2時間)
- 〔7日目〕抜糸
- 〔8日目〕退院
術後の通院
良性腫瘍の場合:半年間に2~3回の通院 → 終診へ
悪性腫瘍の場合:3カ月または6カ月ごとに1回の定期通院の継続
入院費用の目安(3割負担の場合)
良性腫瘍の場合:約12~15万円
悪性腫瘍の場合:約17~20万円
※入院費用は病状などにより変動いたします。