バセドウ病のアイソトープ治療
甲状腺機能亢進症の代表的疾患であるバセドウ病は、甲状腺を異常に刺激する抗体が体の中で産出されることで生じる「自己免疫疾患」です。
当院では、放射性ヨードの入ったカプセルを服用するアイソトープ治療を始めました。
メリットも多く有用な治療法
当院は、甲状腺疾患の専門施設として活動を広げておりますが、2015(平成27)年度より、バセドウ病に対するアイソトープ治(131I内用療法)についても実施できるようになりました。
日本ではバセドウ病の治療は薬物治療が中心ですが、米国では80から90%の患者さんがアイソトープ治療を受けています。
外来で治療ができる、手術痕が残らない、一旦治癒すれば再発が稀であるなどメリットも多く、有用な治療法ですが、実施可能施設が非常に限られています。
京都市山科区や滋賀県にはバセドウ病に対するアイソトープ治療の実施施設がありませんでしたが、今後は治療のために遠方まで出掛けていただく必要がなくなり、患者さんのご負担も減るのではないかと考えております。
外来では、治療内容をご説明し、甲状腺眼症や心機能などのリスク評価を行ったうえで、治療のスケジュールを組ませていただきます。治療後約半年ほどで効果が安定します。
アイソトープ治療の対象になる方
- 薬物治療開始後に副作用が生じ、薬剤が継続できない方
- 長年薬物治療を行っているものの、症状が治まる見込みのない方
- 甲状腺のはれが見た目にも明らかで、甲状腺腫を縮小させたい方
- 外科的治療後にバセドウ病が再発してしまった方 など
バセドウ病 3つの治療方法の比較
治療法 | 長所 | 短所 |
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薬物療法 |
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アイソトープ療法 |
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手術 |
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治療の流れ

初診時の主な内容
アイソトープ治療に関する説明
ヨード制限に関する説明
禁忌となる症例の除外
- 眼症の評価
- 心機能の評価
甲状腺エコー検査
- 甲状腺推定重量計測
- 結節の有無の確認