薬剤部
回復期病院での薬剤師の関わり
回復期病院の当院では、急性期病院での治療を終え、自宅や社会に戻ってからの生活を少しでも元の状態に近づけるためのリハビリテーションを専門に行っています。
そのなかでも薬剤師は、急性期病院のように各科の医師がそろっているわけではないので、幅広い薬剤の知識が必要になります。また、薬物治療だけではなく、生活環境を考慮した関わりが大切になってきます。
所属長のひとこと

課長
多胡 和樹(たご かずき)
当院の薬剤部は、全ての外来・入院患者さんに対して、安心で安全な薬物治療を確保するため、日々、調剤業務及び薬剤管理指導業務に努めています。
また、多職種との交流を大切にし、病棟での多職種カンファレンスにも積極的に参加しています。
スタッフ紹介(2023年5月現在)

- 薬剤師:6人
- 日本静脈経腸栄養学会認定 栄養サポートチーム専門療法士:1人
- 日本アンチドーピング機構 公認サポートチーム専門療法士:2人
- 日本薬剤師研修センター認定 認定実務実習指導薬剤師:1人
- 日本褥瘡学会認定薬剤師:1人
- 日本老年薬学会認定薬剤師:1人
- 薬剤事務:1人
働く薬剤師・薬剤助手の声
薬剤師5年目以上
私は結婚を機に急性期病院から洛和会音羽リハビリテーション病院へ転職しました。
当院で働いて、一番に感じたことは、医師、看護師、セラピストなど他職種の方々との距離が非常に近く、コミュニケーションがとりやすいことです。さまざまな職種からの意見を聞くことで、視野が広がり、薬剤師としての幅が広がりました。また、ライフワークバランスがとりやすい病院です。
薬剤事務
薬剤師助手という観念から、事務的業務、調剤補助業務、雑事などの仕事をして、薬剤師の方々が専門業務に専念できるようサポートしています。
また、日々の業務の中から耳にする薬学的かつ医学的知識などや、業務の中で一緒に参加させてもらっている勉強会などが医療従事者の一員として自分自身のスキルアップにも繋がっています。
薬剤購入や在庫管理を任されており、やりがいのある仕事だと実感しています。
取り組み
退院援助
各病棟の特色に合わせ、患者さんやご家族が安心して退院できるように、入院中から処方内容・薬剤の服用方法などに関わっていきます。退院支援カンファレンスにも積極的に参加し、他部署と連携を行い、安心して退院できるように取り組みます。
退院時には,薬剤情報提供書を保険薬局だけではなく、訪問看護師やケアマネジャーにもお渡ししています。
薬剤情報提供書への主な記載項目
- 薬剤の管理方法
- 治療内容(入院後の薬歴)
- 退院後の注意事項や特記事項
- 検査値:腎機能(Ccr) など
チーム医療
褥瘡回診や栄養サポート、
医療安全、認知症ケアラウンドなどさまざまなチームに薬剤師が参加しています。その中で薬剤師の専門性を生かし、チーム医療に貢献しています。
褥瘡回診

褥瘡治療では、主に外用薬が使用されます。薬剤師も回診に参加して、褥瘡の病態を把握し、薬剤の処方提案を実践しています。
認知症ケアラウンド(奏でるチーム)

認知症のBPSDの治療には、抗精神病薬などが使用されることがあります。薬剤師は回診に参加して、処方提案だけではなく、薬剤によっては認知機能を下げるものがあるので、患者さんの症状に悪い影響がでていないかチェックしています。
外来薬剤師業務
薬剤師が面談を行い、休薬が必要な医薬品や手術に影響のあるサプリメントの確認を行います。
また、注射薬の手技指導やバイオシミラーの説明も実施しています。
ポリファーマシー対策

ポリファーマシーとは、患者さんが複数の薬を服用することで、副作用や服薬管理上の問題が生じる状況のことをいいます。
当院では、多職種カンファレンスで服用薬剤について検討しています。
漢方の煎じ薬について
当院薬剤部では、漢方専門医が勤務していることもあり、漢方の煎じ薬を調剤しています。漢方の煎じ薬は、生薬を患者さんに応じて、生薬の量を調整することが可能です。
業務実績
2022年度の業績
保険薬局の皆さまへ
服薬状況提供書(トレーシングレポート)導入に関して
当院院外処方せんを応需いただきありがとうございます。
今回、適正かつ安全な薬物療法をより推進するため、来局時に患者さんから聞き取った内服薬のアドヒアランス状況や先生方からの処方提案などを治療に活用したく、服薬状況提供書(トレーシングレポート)を導入いたします。
保険薬局の先生方が、重要性が高くかつ至急を要さないが、処方医師への提供が望ましいと判断された内容に関しては、積極的に同書面をご活用いただきたいと考えております。
いただいた内容を薬剤部で集約後、医師へ情報伝達させていただきます。
なお、病院薬剤部への連絡は、原則FAXをご利用いただきますよう、よろしくお願いいたします。
用紙ひな形を下記リンクよりダウンロードしていただきご活用ください。
なお、至急を要する場合は従来通り、処方医師へ直接電話にてお問い合わせください。
保険薬局の先生方と共に適正かつ安全な薬物療法をより推進してまいりますので、ご理解・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
院外処方せんにおける事前合意プロトコル導入に関して
調剤上の典型的な変更に伴う疑義照会に係る処方医および保険薬局薬剤師、双方の事務的な作業を軽減し、患者さんへの薬学的ケアの充実をはかることを目的に院外処方せんにおける事前合意プロトコルを導入いたします。
本プロトコルを適正に運用するために、プロトコルの趣旨や各項目の詳細について、当院薬剤部の担当者からの説明を受け、合意書を交わした保険薬局との間で運用を開始しております。本取り組みへの参画を希望される保険薬局は、当院薬剤部までご連絡ください。
また、プロトコルに基づき、変更した内容につきましては、「事前合意内容に基づく処方変更に関する情報提供書」へ必要事項を記入し、当院薬剤部へFAXにて情報提供をお願いします。
用紙ひな形を下記リンクよりダウンロードしていただきご活用ください。
院外処方せんにおける事前合意プロトコルについてご理解いただき、ご協力賜りますようお願い申し上げます。
院外処方せんの一般名処方開始について
2023年10月2日より当会の5つの病院(洛和会丸太町病院・洛和会音羽病院・洛和会音羽記念病院・洛和会音羽リハビリテーション病院・洛和会東寺南病院)および2つのクリニック(二条駅前クリニック、丸太町リハビリテーションクリニック)で発行される処方せんのうち、別添医薬品については一般名で記載されます。
ただし、医師が商品名を選択した場合は従来どおり商品名での処方せん記載となります。
また、一般名処方に基づいて実際に調剤した商品名の情報提供書および、後発医薬品の変更報告書の郵送・FAXは不要とし、お薬手帳での運用といたします。
一般名処方開始についてご理解いただき、ご協力賜りますようお願い申し上げます。
お問い合わせ
洛和会音羽リハビリテーション病院 薬剤部
TEL/FAX:075(581)6173(直通)
E-mail:yakuzaibu_or@rakuwa.or.jp
臨床研究に関して
洛和会音羽リハビリテーション病院 薬剤部では、日々の薬剤業務以外にもさらなる薬物療法の向上のため、臨床研究の一環として、皆さまの診療時に得られる臨床検査値などを使用した臨床研究を行っております。
これら研究は、疫学研究に関する国内関連法規に則って実施しているものであり、当院の倫理委員会でも承認を得た上で実施しております。
研究の実施にあたっては、個人情報の取り扱いに細心の注意を払い、研究以外の目的でこれら情報を用いることはありません。
また、得られた情報に関しては個人を特定できないよう加工し、学会発表や論文などを用いて公開する予定です。
これら研究により得られた成果を通じて、より多くの患者さんがより良い薬物療法を受けられることを期待しておりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本研究に関するご質問などがありましたら、下記の連絡先までお問い合わせください。
ご希望があれば、ほかの研究対象者の個人情報および知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書および関連資料を閲覧することができますのでお申し出ください。
また、情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先
洛和会音羽リハビリテーション病院
TEL:075(581)6221(代表)
〒607-8113 京都市山科区小山北溝町32-1