薬剤部
回復期病院での薬剤師の関わり
回復期病院の当院では、急性期病院での治療を終え、自宅や社会に戻ってからの生活を少しでも元の状態に近づけるためのリハビリテーションを専門に行っています。
そのなかでも薬剤師は、急性期病院のように各科の医師がそろっているわけではないので、幅広い薬剤の知識が必要になります。また、薬物治療だけではなく、生活環境を考慮した関わりが大切になってきます。
所属長のひとこと
課長
多胡 和樹(たご かずき)
当院の薬剤部は、全ての外来・入院患者さんに対して、安心で安全な薬物治療を確保するため、日々、調剤業務及び薬剤管理指導業務に努めています。
また、多職種との交流を大切にし、病棟での多職種カンファレンスにも積極的に参加しています。
スタッフ紹介(2024年4月現在)
- 薬剤師:6人
- 日本静脈経腸栄養学会認定 栄養サポートチーム専門療法士:1人
- 日本アンチドーピング機構 公認サポートチーム専門療法士:2人
- 日本薬剤師研修センター認定 認定実務実習指導薬剤師:2人
- 日本褥瘡学会認定薬剤師:1人
- 日本老年薬学会認定薬剤師:1人
- 薬剤事務:1人
働く薬剤師・薬剤助手の声
薬剤師5年目以上
私は結婚を機に急性期病院から洛和会音羽リハビリテーション病院へ転職しました。 当院で働いて、一番に感じたことは、医師、看護師、セラピストなど他職種の方々との距離が非常に近く、コミュニケーションがとりやすいことです。さまざまな職種からの意見を聞くことで、視野が広がり、薬剤師としての幅が広がりました。また、ライフワークバランスがとりやすい病院です。
薬剤事務
薬剤師助手という観念から、事務的業務、調剤補助業務、雑事などの仕事をして、薬剤師の方々が専門業務に専念できるようサポートしています。 また、日々の業務の中から耳にする薬学的かつ医学的知識などや、業務の中で一緒に参加させてもらっている勉強会などが医療従事者の一員として自分自身のスキルアップにも繋がっています。 薬剤購入や在庫管理を任されており、やりがいのある仕事だと実感しています。
取り組み
退院援助
各病棟の特色に合わせ、患者さんやご家族が安心して退院できるように、入院中から処方内容・薬剤の服用方法などに関わっていきます。退院支援カンファレンスにも積極的に参加し、他部署と連携を行い、安心して退院できるように取り組みます。
退院時には,薬剤情報提供書を保険薬局だけではなく、訪問看護師やケアマネジャーにもお渡ししています。
薬剤情報提供書への主な記載項目
- 薬剤の管理方法
- 治療内容(入院後の薬歴)
- 退院後の注意事項や特記事項
- 検査値:腎機能(Ccr) など
チーム医療
褥瘡回診や栄養サポート、 医療安全、認知症ケアラウンドなどさまざまなチームに薬剤師が参加しています。その中で薬剤師の専門性を生かし、チーム医療に貢献しています。
褥瘡回診
褥瘡治療では、主に外用薬が使用されます。薬剤師も回診に参加して、褥瘡の病態を把握し、薬剤の処方提案を実践しています。
認知症ケアラウンド(奏でるチーム)
認知症のBPSDの治療には、抗精神病薬などが使用されることがあります。薬剤師は回診に参加して、処方提案だけではなく、薬剤によっては認知機能を下げるものがあるので、患者さんの症状に悪い影響がでていないかチェックしています。
外来薬剤師業務
薬剤師が面談を行い、休薬が必要な医薬品や手術に影響のあるサプリメントの確認を行います。
また、注射薬の手技指導やバイオシミラーの説明も実施しています。
ポリファーマシー対策
ポリファーマシーとは、患者さんが複数の薬を服用することで、副作用や服薬管理上の問題が生じる状況のことをいいます。
当院では、多職種カンファレンスで服用薬剤について検討しています。
漢方の煎じ薬について
当院薬剤部では、漢方専門医が勤務していることもあり、漢方の煎じ薬を調剤しています。漢方の煎じ薬は、生薬を患者さんに応じて、生薬の量を調整することが可能です。
業務実績
2023年度の業績
服薬指導実施件数 | 4433件 |
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退院時服薬指導実施件数 | 947件 |
退院時服薬指導実施率 | 90.5% |
院外の医療従事者への情報提供書発行枚数 | 330枚 |
薬剤総合評価調整加算件数(100点) | 266件 |
入院前支援指導件数 | 372件 |