奏でるチーム(認知症ケアチーム)について
当院はメモリークリニック(物忘れ外来)や京都市委託事業の「認知症初期集中支援事業」など、認知症の検査・治療・相談に深く関わってきました。認知症の人は、環境の変化や対応の仕方で行動・心理症状が見られることもあります。そんな時こそ患者さんに対して、「多職種でいろいろな音色(アイデア)を奏でたい」という思いから命名された「奏でるチーム」が誕生しました。患者さん・周囲の方に寄り添い、人の尊厳を守り続けたいという思いを基に、一人一人の個性に応じた支援や取り組みを行っています。
「奏でるチーム」が考えるHARMONY CAREの思い
- Healing:癒やしと癒やしの場の創造
- Autonomy:できる力に目を向けて
- Respect:敬意と尊厳
- Mediation:橋渡し
- Overall:すべての人ですべての人々に
- Narrative:物語りに寄り添って
- Yourselves:主役はあなた、その人らしさ、個別性のあるケアの展開
多職種によるチーム
看護師
認知症を専門とする看護師がご本人・ご家族の困りごとをお伺いし、各種専門職と協力して困りごとの解決を目指します。
管理栄養士
「痩せて筋力が落ちてきた」「食べにくそうにしている」「食事量が減ってきた」など、食事についての困りごとにお応えします。
薬剤師
「薬が残っている」「飲みにくい」「副作用は…?」など、お薬に関する困りごとや不安にお応えします。
リハビリセラピスト
ご本人が自分らしく暮らせるように、身体機能・認知機能の維持や不安の軽減を図るリハビリテーションを実施します。
医療ソーシャルワーカー(MSW)
より良い社会生活を送れるように、医療的・社会的な制度の活用方法の提案や社会資源の紹介、入院・退院の調整整備などを行います。
公認心理師
ご本人へは気分を軽くしたり、認知機能の維持を目的とした支援をします。
ご家族には感情の整理や認知症との向き合い方を学んでいただけます。
音楽療法士
音楽を通して「できること」を見つけ、認知機能の維持や自尊心の保持により不安の軽減を図ります。また、社会参加により生活の質の向上を目指します。
入院での支援
多職種の良さを生かして
医師や看護師、医療ソーシャルワーカー(MSW)、リハビリセラピスト、管理栄養士、薬剤師、管理課ら、奏でるチームのスタッフが参加し、対象者にとって質の高い認知症ケアを提供するために話し合います。そして、カンファレンスで得られた情報を基に支援が必要な対象者へ院内ラウンドが行われます。
院内ラウンドで多職種スタッフが患者さんを訪問
毎週月曜日に全病棟を対象とした院内ラウンドを行っています。「行動・心理症状(BPSD)※などへの薬物療法やケア」「身体拘束解除に向けた支援」「認知機能が低下した入院患者さんの今後の療養生活支援」を目的として、多職種スタッフが訪問しています。
※認知症に伴う行動·心理症状。暴言や暴力、興奮、抑うつ、不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、せん妄、徘徊、もの取られ妄想、失禁など
外来での支援
住み慣れた地域で暮らし続けるために⋯
受診されている患者さんやご家族の困りごとに応じて、医師と相談の上、各種専門職(看護師、公認心理師、音楽療法士、薬剤師、管理栄養士)が連携する奏でるチームの支援を受けることができます。
ご希望の方は、医師または外来看護師にお気軽にお声掛けください。
電話でのお問い合わせは、当院の地域連携課にご連絡ください。
お問い合わせ先
洛和会音羽リハビリテーション病院 地域連携課
TEL:075(581)6868(直通)