心臓ペースメーカー
心臓の洞結節(右図)で生じた電気的興奮が心房筋に伝わり、心房を収縮させます。心房からの電気的興奮は、房室結節から心室筋に伝えられ心室が収縮します。このように心房と心室が順序よく収縮することで血液は心臓から全身に送り出されます。
この電気的な流れに障がいが出ると、脈拍が遅くなり、場合によっては失神を起こすこともあります。心臓ペースメーカーは、遅くなった脈拍を改善するために使用されます。ペースメーカーは、5cm、20g程度の電気発信装置(ジェネレーター)と、心臓まで電気を流す電極(リード)から成ります。
ペースメーカーの植え込みは局所麻酔下で行われ、1~2時間程度で終了します。左または右の前胸部を切開し、静脈を介してリードを心臓まで挿入します。ジェネレーターは切開部にポケットをつくって留置されます。
通常通りの生活は送れますが、ペースメーカーは強い電磁波の影響を受けます。電磁調理器や盗難防止装置など、日常生活のなかで注意を要することがあります。また、5~10年程度で電池がなくなります。まれにリードが傷むこともありますので、専門医による定期的なチェックが必要です。