下肢動脈治療(PPI)
下肢の血管に動脈硬化が起こり、血液の流れが悪くなった状態を「閉塞性動脈硬化症」といいます。この状態が続くと、そこから足先までが、酸素不足・栄養不足状態となり、次のような症状が起こります。
- 足のしびれ、冷感を感じる
- 歩くと痛むが、休憩すると治る [間歇性跛行(かんけつせいはこう)]
- じっとしていても足が痛む
- 足の色が変わったり、傷が治りにくい
これも心臓と同じように、薬物療法だけでなく外科的なバイパス術やカテーテル治療をすることが可能で、比較的中枢に近い血管のカテーテル治療成績は良好です。潰瘍や壊死(えし)などにより切断を勧められた場合でも、治療が可能なことがあります。一度ご相談ください。
骨盤内動脈の治療
膝下動脈の治療
過去5年間の治療実績(PPI)
PPIのまとめ
- 高齢化、糖尿病を含む生活習慣病の増加、維持透析患者さんの長期延命化によりPPI件数は年々増加し、血管内治療は全身に及んだが、浅大腿動脈(SFA)、膝下動脈の比率が上昇していた。
- 平均年齢は70歳を超え、高齢化とともに、インスリン治療の糖尿病、慢性腎不全、維持透析、CTO(慢性完全閉塞)病変、CLI(重症下肢虚血)が多かったが、 初期成功率は95.8%と極めて高率であった。
- 重症下肢虚血趾の治療においては、複数の診療科(皮膚科、整形外科、形成外科など)あるいは複数の職種との連携が必要であり、当科は京都下肢創傷センターとも連携して最新の集学的治療を行っている。