冠動脈治療(PCI)
▲バルーン
▲ステント
冠動脈の狭さくや閉塞に対しての治療には、薬剤による治療のほかに、胸を開けて外科的に行われる冠動脈バイパス術やカテーテルによる冠動脈形成術があります。技術の進歩により、ほぼ全例でカテーテル治療での再血行再建が可能となっていますが、高度の弁膜症を合併しているなど症例によっては手術が適応となる場合もあります。
カテーテル治療とは、糸のように細いガイドワイヤーを冠動脈内に挿入し、それに沿わせてバルーン(風船)や補強材であるステント(金属の筒)を病変部まで誘導します。そして圧力をかけて病変を押し広げて治療を行います。
病変を押し広げても、生体の修復反応により、再度細くなることがあります。これを「再狭さく」と言い、バルーンだけの場合は30~40%、ステント療法を行った場合でも20%程度の確率で起こります。最近はその再狭さくを防ぐ薬剤を塗布したステント(第3世代)が主流であり、再狭さくを5%以下に抑えることができます。また、病変を削り取る治療法もあります。
病変の太さや形態、薬の問題などを考慮して、治療法を使い分けます。
▲血管内超音波(IVUS)により病変の詳細な状態を把握します