CE部
当院では「Clinical Engineer」の略で「CE」と呼ばれており、臨床工学技士という国家資格を持った医療技術者になります。CEは、血液浄化装置や人工呼吸器などの生命維持管理装置の操作や保守、点検を行い、院内の医療機器をいつでも安全に使用できるように管理をする医療技術者です。近年、医療技術の進歩に伴い、医療機器はより高度になり、操作も複雑になっています。当院では、医師や看護師など様々な院内スタッフと連携、協力し、患者さんが安心、安全に治療が出来る様に取り組んでいます。
CE部の特色
- 慢性維持透析に関わる穿刺~開始、透析中のバイタル管理、返血などの一連の業務だけでなく、透析機器メンテナンスや透析液清浄化、フットケア、体液量測定、VA管理など様々な業務を行っています。
- 現在CE部は臨床工学技士81名(男性:67名、女性:14名)とコメディカル助手1名の計82名が所属しています。基本的 には透析業務を主体として勤務していますが、日替わりで医療機器管理業務や手術室業務、メンテナンス業務等を行っています。
- 早期からタスクシフト・シェアを行い、医師や看護師の業務負担軽減を行っています。また、臨床工学技士の業務範囲追加に伴い動脈表在化穿刺や手術室での末梢静脈穿刺等の業務も積極的に行っています。
部署紹介
スタッフ紹介(2024年6月現在)
臨床工学技士:81人(非常勤1人)
コメディカル助手(非常勤):1人
【各種資格】
- 透析技術認定士:23人
- 呼吸療法認定士:9人
- 第1種ME技術認定:4人
- フットケア指導士:1人
- 認定血液浄化関連臨床工学技士:3人
- 腎代替療法専門指導士:2人
- 血管診療技師(CVT):1人
業務内容
透析業務
当院の透析室は透析ベッド数146床を保有しており、月水金は3クール、火木土は2クール体制で稼働しています。透析室では、穿刺、開始~透析中のバイタルチェックやフロア監視、返血・止血までの一連の業務を行っています。透析(HD、on-lineHDF、I-HDF)の他に持続血液浄化(CHDF)や直接血液灌流法(DHP)、二重膜濾過血漿交換療法(DFPP)、腹水濾過濃縮再静注法(CART)といった特殊血液浄化療法も積極的に実施しています。
血液浄化件数推移
月に約7,000件を超える血液浄化を行っています。患者毎のデータを評価し、最適な治療が実施出来る様に、膜・透析時間・治療方法等を医師と相談しながら変更しています。
メンテナンス・透析液清浄化業務
- 当院には日機装とJMS社製の2つのメーカーのコンソールを使用しています。各コンソールのオーバーホールも年間計画をたて計画的に実施しています。
- 透析液清浄化に関しても年間計画を作成し、院内で生菌、エンドトキシン測定を行っています。結果に基づき、洗浄液の濃度変更や滞留時間の調整も行っています。
医療機器管理
- 生体情報モニターやシリンジ、輸液ポンプの管理、点検、人工呼吸器の点検等、院内の医療機器全ての管理を行っています。
- 医療機器を安全に安心して使用できるよう、病棟、透析室スタッフへの定期的な勉強会の開催もしています。
フットケア業務
- 透析患者さんのフットチェック、創傷処置、管理を行っています。病棟や老健施設スタッフと連携し、医師と創傷回診も行っています。
- 下肢加重検査や皮膚還流圧測定などの検査の実施と説明、院内スタッフへ爪切りやアセスメント等の教育も行っています。
- 洛和会ヘルスケアシステムの介護施設へ定期的に訪問し、希望される利用者さんへ定期フットチェックを行っています。
手術室業務
- 当院の手術室では直接介助業務、外回り業務は全例CEが行っているのが特徴です。手術室内の物品管理、麻酔器の立ち上げ等、手術室内の管理を全て行っています。
- 手術室は2部屋あり、主にシャント関連手術を中心に行っています。
教育体制
CEキャリアパス
目標管理 | 院内キャリア | ジェネラリスト | スペシャリスト | |
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~6カ月 | 新人 | 基本知識、接遇、 コミュニケーションなど社会人スキル習得 |
スペシャリスト領域を習得 | 業務に関するセミナー受講 |
1年目 | HD業務 独り立ち |
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2年目 | 各業務 独り立ち |
臨床基礎技術、 ルーティン業務の習得、医療法人スキルの習得 |
認定・専門技士 各種認定士の取得 |
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3年目 | 後輩教育 業務リーダー |
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4年目~ | 副係長 | 教育指導スキル、 臨床応用知識・技術の習得 |
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6年目~ | 係長 | 高度な専門知識・関連する周辺知識の充実 | ||
8年目~ | 主席係長 管理代行業務 |
業務マネジメント習得 | 新規業務開拓、業務拡大、安全向上などで役割発揮 | |
10年目~ | 課長 | 病院運営、 管理マネジメント業務 |
習得した技術・知識を院内外へ還元 |
患者さんへお知らせ発行
患者さんへ透析新聞を発行し、豆知識を提供しています。
- 透析新聞 第213号[PDF(371KB)]
- 透析新聞 第165号[PDF(327KB)]
- 透析新聞 号外[PDF(301KB)]
学術活動
学会
2023年
- 第68回日本透析医学会学術集会・総会 2023.6.16~18
- 当院透析室の人員配置基準を考える 吉田
- 第68回日本透析医学会学術集会・総会 2023.6.16~18
- 診療報酬改定に伴う透析時の運動療法におけるADL及び動脈硬化病変に対する関連性 池本
- 第25回日本医療マネジメント学会学術総会 2023.6.23・24
- 透析施設におけるSNSアカウントの活用 吉田
- 第33回日本臨床工学会 2023.7.21~23
- 当院におけるRO水配管未洗浄部位からの生菌増殖を手動薬液消毒で生菌発生ゼロに改善させた事例 吉川
- 第44回日本アフェレシス学会学術大会 2023.10.21・22
- LDL-AとレオカーナにおけるLDL-chとフィブリノーゲン除去の比較 古久保
- 第18回医療の質・安全学会学術集会 2023.11.25・26
- 当院透析室の人員配置基準を考える 吉田
2022年
- 第32回日本臨床工学会 2022.5.14・15
- 病院機能評価による業務マニュアル改善について 吉川
- 第32回日本臨床工学会 2022.5.14・15
- 医療安全こそ最大で最強の職域拡大! 吉田久
- 第67回日本透析医学会学術集会 2022.7.1~3
- ノブリード使用によるシャント止血時間の検討 北川
- 第67回日本透析医学会学術集会 2022.7.1~3
- InBody-S10を運用した大規模透析室でのDW管理について 吉田樹
- 第67回日本透析医学会学術集会 2022.7.1~3
- レオカーナの使用経験 沖田
- 第67回日本透析医学会学術集会 2022.7.1~3
- 当院でのHIF-PH阻害の使用経験と副作用について 前田・佐伯
- 第67回日本透析医学会学術集会 2022.7.1~3
- Na含有K吸着薬の効果について~ジルコニウムシクロ酸Naポリスチレンスルホン酸Naを比較して~ 田中佑
2021年
- 第31回 日本臨床工学会 熊本 2021.5.22~23
- 「シャント作成後皮膚脆弱患者における皮膚組織縫合に代わる皮膚接着剤について」佐々木
- 第31回 日本臨床工学会 熊本 2021.5.22~23
- 「日曜O.Hから平日O.Hへの変更による故障件数の変化」吉川
- 第66回 日本透析医学会学術集会・総会 2021.6.3~6
- 「カルニチン欠乏患者におけるレボカルニチン製剤投与による変化」古久保
- 第66回 日本透析医学会学術集会・総会 2021.6.3~6
- 「生体電気インピーダンス法を用いた体液水分量計測における動脈硬化症病変が与える影響について」吉田 樹
- 第23回 日本マネジメント学会学術集会 2021.6.25~26
- 「透析開始後のダブルチェック業務の改善」吉田 久
- 第56回 京都市病院学会 2021.10.24~11.28
- 「動脈硬化症と体液水分量の関係について」吉田 樹
- 第25回 日本アクセス研究会 千葉 2021.11.27~28
- 「ダーマボンドを使用した皮膚接着閉創効果について」安田
- 第2回 日本フットケア・足病学会学術集会 横浜 2021.12.10~11
- 「生体電気インピーダンス法を用いた体液水分量計測における動脈硬化症病変が与える影響について」吉田 樹
- 第2回 日本フットケア・足病学会学術集会 横浜 2021.12.10~11
- 「レオカーナの使用経験」沖田
各学会・研修・講習会への参加
年間を通して30件以上の参加実績があります。透析関連の学会だけでなく、リーダーシップ研修やME講習会への参加も歓迎しています。
参加実績
- 日本臨床工学会学術大会
- 日本透析医学会学術集会
- 日本下肢救済足病学会学術集会
- 京都病院学会
- 日本静脈学会学術大会
- 透析液安全管理責任者研修会
- 日本動脈硬化学会学術大会
- 輸液ポンプシリンジポンプメンテナンス講習会
- 血液浄化心不全研究会
- 日本クリアランスギャップ研究会学術大会
- 日本アフェレシス学会学術集会
- 長時間透析研究会
- 近畿臨床工学会学術集会
- 人工腎臓メンテナンス講習会 など