脳神経外科

脳卒中センター所長 岡本新一郎




 

脳の病気は、後々まで後遺症が残ったり、寝たきりになったりするので怖いと感じる方が多いでしょう。確かに、重い脳のけがや脳卒中などではそういう心配が大きくなり、今の時代でも治りにくい病気もたくさんあります。しかし、最近では精密で安全な手術が広く行われ、また、脳や神経への負担が比較的少ない新しい治療法もたくさんできるようになってきました。これらの適切な治療によって、障害なく治るチャンスが増え、また障害を最小限に食い止めることができるようになっています。
私たち脳神経外科医が専門的に行う治療の中心は、やはり手術、とりわけ顕微鏡を用いた精細な手術(マイクロサージャリー)です。当科では2010(平成22)年6月に、それまで他の大規模病院の脳神経外科部長として豊富なマイクロサージャリー経験を積んできた新しい部長が就任し、またスタッフも充実して、一層の治療レベルアップがはかられました。また、経鼻的下垂体手術や脳内視鏡手術など、色々な工夫による低侵襲手術(脳や神経への負担が少ない手術)を積極的に取り入れています。手術以外の新しい治療法として、脳血管内治療やITB療法にも専門スタッフが取り組んでいます。今秋には新棟が開設され、脳腫瘍などの放射線治療の強化が予定されています。
併設の正常圧水頭症センターでは、手術で治る認知症の代表である「正常圧水頭症」の患者さんが全国から紹介され、脳神経外科と共同で手術治療に当たっています。
脳神経外科の病気は後遺症として障害を遺すこともありますので、リハビリテーションや、病気を予防する取り組みもとても大切です。当院の特徴として、脳神経外科のある急性期病棟と回復期リハビリテーション病棟が並置されており、両病棟のスタッフが定期的にカンファレンスを行うなど、密接な連携を通じて切れ目のない治療を行う態勢を整えています。
脳の病気やけがで特に大切なことは、なるべく早く専門家による正確な診断を受けて、手遅れになることを防ぎ、さらに一人ひとりにとって最も良い治療を選ぶことです。ですから私たちは、「確実な診断と、的確な治療」を一番のモットーにしています。また、「断らない救急」を掲げているER(救命救急センター)や神経内科などとも密接に連携して、24時間365日常時対応できる態勢を整えています。
私たち脳神経外科医があつかう病気や異常には、非常にたくさんの種類があり、これらの病気や異常は、一般の方が脳や神経の病気であるとは思いもつかないような意外な症状で起こることもあります。心配なことがあればいつでもお気軽にご相談ください。

ショートカットメニュー


▲ページのトップへ戻る

診療内容

脳卒中

特に脳卒中に対しては神経内科医とも連携し、脳卒中センターとして、急性期血栓溶解療法(tPA静注や経皮的血行再建術)や脳脊髄血管内手術など最新医療にも対応できるような検査・治療機器を備えています。もちろん、慢性期などの予防的な外科的治療(閉塞性血行再建術、未破裂脳動脈瘤根治術)にも積極的に取り組んでいます。

頭部外傷

頭部外傷にはICUチームのご協力のもと、外科手術のみならず、バルビツレート昏睡(冬眠)療法、低体温療法など特殊な治療も可能で、それぞれの病状に応じた治療を行います。

脳腫瘍治療

手術のほか、化学療法、ホルモン療法も可能です。中でも良性腫瘍(下垂体腺腫、髄膜腫、聴神経鞘腫など)に対しては低侵襲手術を心がけています。

片側顔面痙攣三叉神経痛、舌咽神経痛

経験豊富なスタッフが、片側顔面痙攣や三叉神経痛、舌咽神経痛に対する根治的、微小血管神経減圧術にあたっています。

 

以上のように機能(温存)を優先した、非侵襲性〔体にやさしい〕治療を目指しており、全国でも未だ数少ない日本脳神経血管内治療学会認定指導医が在籍していますので、頭頸部疾患に対しても耳鼻咽喉・頭頸部外科とともに、直達手術のみならず血管内治療も行っています。

▲ページのトップへ戻る

 

主な対応疾患と治療方法

脳血管障害

  • 脳梗塞:(頭部)頚動脈ステント留置/内膜剥離術、経皮的頭蓋移行部/椎骨動脈/鎖骨下動脈血管形成術、頭蓋内外血管吻合(バイパス)術
  • 脳動脈瘤:開頭クリッピング術、嚢内コイル塞栓術
  • 脳動静脈奇形:塞栓術、摘出術
  • もやもや病など:バイパス手術など

頭部外傷

  • 急性硬膜下・硬膜外血腫:除去術、外減圧術
  • 挫傷性脳内出血:バルビツレート昏睡療法、低体温療法など

脳腫瘍一般

  • 悪性脳腫瘍:転移性脳腫瘍、神経膠腫など
  • 良性脳腫瘍:髄膜腫、聴神経腫瘍、下垂体腺腫など

三叉神経痛顔面神経痙攣

  • 微小血管神経減圧術

特殊外来

▲ページのトップへ戻る

医療設備

私たちが臨床医の道を歩み始めたころは「これからの20年は脳神経外科の時代」と言われました。事実、画像診断もCT~MRIの時代を迎え、無症状の間に脳動脈瘤や血管狭窄症、脳・脊髄腫瘍などが早期発見できるようになり、撮影時間も以前より随分と短くなりました。

 

CTやMRIは常時撮影することができます。

CT

CTには最新式の64列マルチスライスCTが導入されており、これによって脳血管や頭蓋骨の詳細な3次元画像を迅速に作成することが可能となり、大いに診断や手術の助けとなっています。

MRI

MRI(1.5T)は、脳卒中患者さまのほぼ全例に施行しており、緊急時でもdiffusion撮影やMRAを併せて行い、特に脳卒中急性期の診断と治療に力を発揮しています。

脳血管造影装置

脳血管造影装置は、Digital Subtraction Angiography(DSA)であり、脳脊髄はもとより頭頸部の血管内手術にも対応しています。さらに手術中にも脳血管造影撮影が可能なモバイルDSAが導入され、脳血管外科に威力を発揮しています。

脳血流シンチ

このほか、脳血流シンチ(SPECT)にて、脳梗塞の予防的手術の適応や危険性を検討するうえで欠かせない検査も可能となっています。

設備の詳細

[MRI] Siemens: MAGNETOM VISION 1.5T & MAGNETOM Avant 1.5T
[CT] Siemens: SOMATOM Sensation 64 & SOMATOM spirit
[DSA] Toshiba: INFINIX CELEVE & Philips: BV Pulsera Rel 2
[RI] Toshiba: ECAM
[US] Philips: SONOS 5500 & ENVISOR C HD

[others]

Nihon Kohden: Neuropack M1 & Neuro f ax EEG-1714

Baxter: INVOS

▲ページのトップへ戻る

診療実績<2010(平成22)年>

入院患者総数: 279人

 

外科手術総数(血管内手術含む): 208件
 脳腫瘍摘出術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9件

 脳動脈瘤クリッピング術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17件

 脳動静脈奇形摘出術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件

 脳内血腫除去術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6件

 外傷性血腫除去術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7件

 慢性硬膜下血腫穿頭術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38件

 水頭症手術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39件

 その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57件

 血管内治療・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33件

脳血管造影検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62件

▲ページのトップへ戻る

 

 

前のページに戻る

copyright RAKUWAKAI Health Care System.2011